ワイルドな俳優・藤岡弘、のイメージからは想像できない純粋無垢な美男美女の3兄妹。前編では、個性的な藤岡流教育や「スマホ闘争」について語ってくれた。仲睦まじい家族だが、特に大切にしているのが家族揃っての晩餐だという。食卓は時に、学校生活で悩みに直面した子供たちへの教えを説く心の道場になることもあるようだ。(全2回の2回目/前編より続く)

左から真威人くん、舞衣ちゃん、天音ちゃん ©橋本篤/文藝春秋

深夜まで続いた真威人くんの悩み相談

真威人(まいと)くん 夜はできるだけ家族揃ってご飯を食べるのですが、1人が悩みを相談すると、そのことについて家族みんなで話すこともあります。

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天音(あまね)ちゃん 深夜になったこともあったよね。

あいにくの雨だったが、舞衣ちゃんはお気に入りの傘を差してロケ撮影に挑んでくれた ©橋本篤/文藝春秋

真威人くん うん。中学生の頃、僕が友達にからかわれた時期があって、お父さんにそのことを相談したことがあったんです。食事が終わっても話を聞いてくれて、最後に「自分を持って、他人の目や言われることを気にするな。他人は他人の意見を持っているから、お前は自分を信じて頑張ればいいんだ」と言ってくれて。それからは、何を言われても「勝手に言ってろ」という気持ちでいられるようになって、いつしか解決しました。お父さんの言葉には今も感謝しています。

舞衣(まい)ちゃん それよく覚えてる。私も悩み相談したことあるよね。

藤岡がしたためた「大和魂」 ©橋本篤/文藝春秋

――どんなことを相談したんですか?

舞衣ちゃん 小学4年生のとき、クラスで班を決めることになったんですけど、1人の子が余ってしまったから、ジャンケンで公平に決めることにしたんです。そうしたら、自分が仲のいいみんなと離れ離れになっちゃったんです。その話をしたら、パパが「自分が悲しいことになってしまったけど、友達のためを思ってやったんだよな。それは舞衣が一つ大人になった証だよ」と言ってくれて、心のもやもやが晴れました。パパとはあんまり一緒に遊べなかったけど、いつも私でもわかる言葉で伝えてくれるので、すごく助けられています。