駅でしばしば見かける水漏れ対策。その風景を集める人がいる。液漏れならぬ「駅もれ」と題したブログを2011年12月2日から運営している萩原幸也さんだ。いまでは同好の士も現れて投稿写真も多数。「駅もれ」になぜ注目したか、萩原さんにお話を伺った。(全2回の2回目。前編を読む)
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対策品や施工業者の登場で駅もれも整う
萩原 昔は漏斗にする部分に適した素材がなかったはずなので、創意工夫が多かったですね。ペットボトルの蓋の部分をひっくり返してみたり、深い紙皿を使ったり。ビニール傘を使ったやつも10年前はいっぱいあったんです。今は雨漏り対応のビニール製品が販売されてるんですよ。駅員さんがDIYで対応するときもAmazonで必要なモノを入手できます。
杉山 半地下構造になっている建物はどこも漏れ問題を抱えているわけですね。東京の地中には水がいっぱいですから。
ステンレスで樋を作ることを「アイアン化」と呼んでいる
萩原 水漏れ対策品って、僕が駅もれをチェックし始めた頃は売られていなかったんです。いまは既製品を使っている駅が多いですね。最近は駅もれの場所に番号が書いてあって、業者さんの管理番号なのかなと思っています。
終電が過ぎたころ、駅員さんが施工されている様子もたまに見かけますよ。想像ですが、駅員さんが応急処置をして、それでも水が止まらない場合、業者さんがステンレスで樋を作るんだと思います。僕はそれを「アイアン化」と呼んでます。
杉山 太い柱にステンレスの四角い柱がくっついてます。あれって排水パイプを通してるんですね。
萩原 鉄板が貼り付けてあるだけという駅もいっぱい見かけるんですよ。あれは水が漏れ続けてるところです。最近よく見るバージョンだと、チューブをたらさず、紙の囲いの中にチューブをセットする駅もれもあります。チューブをたらしっぱなしにしないという目的だと思います。