昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2021/11/14

また全日本に出ないでオリンピック出場となれば…

 今回も、2016年~18年にかけて全日本選手権を3連続で欠場したことなどを引き合いに、日本一を決める大会を軽視している、今回も欠場するに違いない、という声もあがっている。

2021年3月の世界選手権で羽生結弦はネイサン・チェン、鍵山優真に敗れて3位だった ©Getty Images

 とあるスポーツ紙の記者は、羽生に集まる非難の声についてこう語る。

「羽生選手の今シーズンのスケジュールはとてもタイトなものでした。NHK杯のあと中1週でロシア大会へ、次も中1週でグランプリファイナル、さらに中1週で全日本選手権に出場予定でした。北京オリンピックの開幕が2月4日ですから、12月下旬の全日本選手権に一度ピークを合わせて、もう一度オリンピックに合わせるのは確かに選手にとっても負担が大きい。それを邪推して、『オリンピックだけに集中するためにシーズンをスキップしたいのだろう』というメールが何通も届いています」

 しかし、羽生が自らの意図で大会を欠場している可能性は極めて低いと続ける。

「グランプリシリーズや全日本選手権のような大会では、欠場に医師の診断書も必要で、本人が『体調が悪い』と言うだけで欠場できる仕組みにはなっていません。なので、間違いなく負傷は事実でしょう。しかも右足は羽生選手が何度も怪我をしているところですからね」

 しかも今シーズンは、羽生が新たなプログラムを導入したことで体への負担はさらに大きくなっているという。

「近年の羽生選手は4回転アクセルを成功させることを目標にしています。4回転アクセル自体は以前から取り組んでいましたが、本格化したのは昨シーズンの後半から。オリンピックに向けて今年の春からは練習でも相当な本数を跳んでいたようで、足への負担は相当なものになるはず」

 怪我の程度については極秘扱いされ、取材者の間でもほとんど情報がないという。

「あまり内情は聞こえてきません。ただ公式発表の内容から推測すると、すぐに復帰できる状態の可能性は低いと思います。中1週でのロシアGPは厳しいでしょうし、年末の全日本選手権に間に合うかどうか……。しかしまた全日本に出場しないでオリンピックの代表に選ばれることになれば、批判を受けるのは避けられません」

 羽生が全日本選手権に出場せず、北京オリンピックの代表に選ばれないという可能性もあるのだろうか。

羽生に対して異例のブーイングが起きた2012年全日本選手権 ©文藝春秋

「本人が辞退でもしない限り、たとえ全日本選手権に出なくてもまず間違いなく羽生選手は代表に選ばれるでしょう。成長著しい鍵山優真選手や宇野昌磨選手などもいますが、羽生選手がメダルの可能性が最も高いのは疑いようのない事実。ネイサン・チェン選手や、スケートアメリカで優勝したビンセント・ジョウ選手など世界の強豪たちと戦うために、羽生選手は外せません。そもそも、スケート連盟が選考基準に“救済の余地”を残しているのは、こういう時のためなのですから」

 果たして、羽生は全日本選手権に出場するのだろうか。そして北京オリンピックには……。オリンピックシーズンのフィギュア界は、少し騒がしくなりそうだ。

羽生結弦 ©Getty Images

この記事の写真(5枚)

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー
z