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お客が「ワクチン打っているんなら遊びにいくよ」

 真理子の働いている店は、5万円台の高級店に属すのだが、同じ価格帯の店でも、新人が入っていないところは、客足が鈍いとも真理子は言った。

「うちの店は人気店なので、コロナが流行っている時にも、新人さんを入れていたんですよ。コロナが減ってきて、ちょっと遊ぼうかなという人が、若い子を選んでいるんです。それで私たちみたいに、30代に差し掛かると、なかなか新規のお客さんを掴むのが難しくなっています」

 一部とはいえ、吉原に客の足が戻りつつある。緊急事態宣言の解除とともに、真理子が実感しているのは、ワクチン接種の効果だという。

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「お客様から、『ワクチン打っているんなら遊びにいくよ』って、言われることが多いですね。ワクチンのことを気にしているのは地方の方が多いです。東京の感染者がオリンピックの頃とか凄かったじゃないですか。私のお客様には、岩手、富山、新潟、長野、静岡とか地方の方も少なくないのですが、ワクチン接種が終わって、緊急事態宣言が解除されたら、急に電話が続けて入りました。今週は茨城の人からも『行くよって』連絡がありました。実を言うと、私自身は、ワクチンなんか打ちたくないんですよ。何かみんなが右にならえで強制されているみたいで気持ち悪くないですか? それでもお客様が不安になりますし、お仕事のためなので、仕方なく打ちました」

©八木澤高明

「なんちゃってじゃない18歳、20歳が…」ナイナイ岡村の発言が事実に

 新型コロナウイルスの流行によって、働く女性たちの年齢層とタイプには、明らかな変化が見られるようになったと、真理子は言う。

「コロナが流行りはじめてすぐに、ナイナイの岡村が『これから風俗には新しい女の子が入ってくるから楽しみだ』みたいなことを言って、ものすごく批判されましたけど、あの言葉は事実です。コロナで風俗の入り口が広くなって、なんちゃってじゃない、リアル18歳とか20歳が増えましたよ。本当に右も左もわからない子たちで、『お金稼げるからいいか』って感じの軽い気持ちなんですよね。

 驚いたのは、この仕事は、お客さんとは店外で直接会ったりするのは禁止されていて、会うとしたらこっそり会って、仕事仲間にも言わないものなのですが彼女たちには関係ないんです。同僚の女性がいるのに待機室であっけらかんと、『千葉の男と会ったけど、貰ったお金が少ないからビンタして帰ってきた』とか平気で話しているんですよ。ソープで働いていて、そんな子を見たのは、コロナ後になってからです」

©八木澤高明

 一方で、そういった若い女性たちは、店で人気があるという。

「男の人もベテランの女性よりは、ソープでの経験が少ない女の子に手取り、足取り教えながらプレイするのが楽しいようで、彼女たちの指名が多いんです。私はお店では、20代半ばと言っていますが、実年齢は30代前半です。やっぱりリアル18歳には肌の張りとかは敵わないじゃないですか。まだ私は指名のお客様がいるからいいですが、太いお客様がいない子は大変だと思います」