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闇カジノの“意外な”利益率

 闇カジノへ入店する場合は事前連絡が必須となる。店側はジャンケットなどからの情報で新規客の身元が明らかになっている場合であればモニターなどで確認するだけで入店を許可する。

 一方で、路上の客引きが連れてきた身元が不確かな客の場合は、店員が一回外で新規客と会う。暴力団員や半グレなどではないか、トラブルを起こしそうな客ではないか、または警察ではないかなど、雑談などをしながら素性を検める為だ。入店した場合は身分証明書を確認され、個人情報を登録されるのは、連載#1で記した通りである。

 時には億という金額が飛び交う闇カジノ。しかし、その利益率は思ったほど高くはない。闇カジノの利益率は20~30%ほど、なのだという。

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「それは、客を連れてきたジャンケットなどへのバックが50%、というのが基本になっているからです。例えば使った金額が1000万、2000万円という高額のお客さんであれば、ジャンケットへのバックは60%ということもある。その場合は、1000万円売上に対して、店の取り分が400万、ジャンケットは600万となる。その取り分の中から家賃、経費、人件費を引いていくと20%ほどの利益率ということになるのです。

 昔はバックが20%くらいで、それもフォロー込みの金額でした。フォローとはジャンケットなどが連れてくる客は、本人と仲が良い人間である場合が多いので『またカジノに来てくれるようにフォローしてください。警察にも垂れ込まないように監視して欲しい』というアフターケアを意味します。ジャンケットは『今日は僕が食事を奢るから、次は勝とうな!』と客をなだめたりする訳です。そのバックフィーも年々、他店との競合やジャンケットの値上げ要求もあり50%まで引き上げられるようになったのです」(漆原氏)

闇カジノは広告などで集客出来ないため、「客を連れてくる人間」が相対的に強くなる構造が、“意外な利益率”につながっているという ©iStock.com

 闇カジノという裏ビジネスの性質上、広告などで集客をすることが出来ない。故にジャンケットなどのように、客を連れてくる人間の力が相対的に強くなるという構造があるようだ。

 闇カジノにおけるメインゲームとなっているのが「バカラ」である。バカラは人気ギャンブルであると同時に、一夜にして巨万の富を得ることもあれば、あっという間に数億円もスッてしまう危険なギャンブルとしても知られている。

 次回は闇カジノとジャンケットたちが、どのようにして顧客から金を巻き上げていくのか。その手口について見て行きたい。