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《箱根駅伝》「急成長ルーキー」「駅伝力」そして「ミスター12月の存在」がカギ…駒澤、青学と並ぶ注目校とは!?《前哨戦で見えたダークホース》

2022年の箱根を読む

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今度の箱根でも、殿地は5区区間賞の有力候補か

 さらに、今年1月の箱根では5区・山上りに起用され、12位からシード権圏内の9位に押し上げた。箱根駅伝では、たびたび逆境を跳ね返す活躍を見せてきたのだ。

 殿地は、出雲、全日本では今年も出番はなかったが、11月13日に箱根で行われた「激坂最速王決定戦」では好走を見せている。箱根5区の候補選手が多数出場した登り(13.5km)の部で、“三代目山の神”こと神野大地(セルソース)には及ばなかったものの、大学生トップの2位と奮闘した。昨年の激坂最速王を制し、箱根でも5区で区間2位と好走した三上雄太(創価大)には52秒差を付けて勝利した。最後の箱根に向けて、着々と準備は進んでいる。

「箱根男」になりうる存在の殿地 ©文藝春秋

 出場した大学生全員が全力で臨んだわけではないので、簡単には言い切れないが、今度の箱根でも、殿地は5区区間賞の有力候補となりそうだ。

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 また、國學院大勢で「激坂最速王決定戦」で力走を見せたのは、殿地だけではなかった。これまで三大駅伝に出場した経験のない相澤龍明(4年)も、学生5位(全体6位)と健闘した。

 仮に相澤に5区起用の目処が立ったとすれば、國學院大にとってはかなりのプラス材料になる。優勝を狙うために、殿地を復路の平地区間に回し、終盤に勝負を仕掛ける戦略も可能となるからだ。

主将を務める木付(右端)は出雲駅伝2区で区間賞 ©文藝春秋

箱根ではまだまだ多くの大学に優勝のチャンスはありそう

 殿地を5区に起用したほうが大きなアドバンテージとなるのか、それとも、終盤まで温存すべきなのか。その見極めが勝負の行方を左右するかもしれない。もっとも、前田監督の胸の内ではすでに決まっているかもしれないが…。

「△(白三角 ※競馬用語で「2位までは可能性がある有力候補」のこと)から▲(黒三角 ※競馬用語で「展開によっては1位が有りうる穴馬」のこと)へ、ダークホース的な存在になれればと思っています」

 駅伝シーズンを前に、前田監督は競馬の予想に例えてこんなことを言っていたが、箱根の予想を立てる際に、國學院大に▲(黒三角)を付ける人は、案外多いのではないだろうか。

エース中西大翔の双子の兄・唯翔の躍進も期待される ©文藝春秋

 あとは、ダブルエースの藤木と中西が、完全に復調を果たすことが最後のピースとなるだろうか。箱根では、出雲、全日本以上に、國學院大が目立つことになりそうだ。

 ここまでは、駒澤大、青山学院大を含めて、なかなか足並みがそろわない大学が多かっただけに、箱根ではまだまだ多くの大学に優勝のチャンスはありそうだが、國學院大もその一角に入れてもいいだろう。

《箱根駅伝》「急成長ルーキー」「駅伝力」そして「ミスター12月の存在」がカギ…駒澤、青学と並ぶ注目校とは!?《前哨戦で見えたダークホース》

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