――他のポルノハバーとおふたりが違う部分って、どういったところだと考えていますか?
りょーちん エッチの前に会話をして、素のところを見せているところかな。Pornhubでプレイ動画を公開するだけなら、誰にでもできてしまうんです。そこでいかにコンテンツを差別化して、ファンを獲得するか。そのカギになるのは、やっぱり「人間性」なんですよ。濃いファンの方の反応を見ると、そこなんだろうなって。
あゆみ そうだね。そういう意味で、私たちはおしゃべりもプレイも自然で素の状態を心掛けているね。
りょーちん 演技しないっていうのが、僕たちの一番のポリシーだね。
それから、新しい事業として、ポルノハバー事務所を始めました。ポルノハバーとして活動していきたい人たちを、男女問わずブランディングなどの面でサポートしていこうと動き出しています。
ポルノハバー引退後の人生
――ポルノハバーとして現役を引退した後のことも考えられていると。
りょーちん そうですね。たとえば、彼女がPornhubをやめたくなった時に、僕らが幸せでいられるようにしたいという気持ちがあってこその事務所設立ですね。
――これも必ず聞かれているでしょうが、おふたりが別れる場合は動画をどうするのかを決めていたりは?
あゆみ 私はそのまま記念として残しておきたい気持ちが大きいです。そこは、彼の意見も尊重して決めたいですけど。
りょーちん 僕は、なにがあってもあゆみと一緒に生きていきたいという絶対に譲れない価値観と覚悟があるので、そう簡単に「動画を消す」という決断はできないと思います。
――お話を伺って、ポルノハバーになっておふたりの人生も内面も大きく変わられたんだなと。
りょーちん 精神面は変わりましたね。ポルノハバーになる前はお金もなく、やりたいこともなく。あるのは焦りと絶望で、真っ暗闇を歩いていたんですけど。いまは、精神的に安定していて真っ暗闇な部分がない。
あゆみ そんな感じはあるよね。事務所の話もそうなんですけど、先のことを考えて動いてくれている彼の支えになりたいと思えるようになって、私もいろいろ勉強もしています。いままでの私は、そんなことも考えなかったし、そんなふうに動くこともしなかったので。
――おふたりが動画を通して伝えられたらいいなというものって、ありますか?
りょーちん 日本人の性に対する価値観をポジティブにしたいですね。個人が自由に発信できる時代だからこそ、もっと性というテーマに向き合ってほしいです。性って、恥ずかしいことでもないし。
あゆみ 私たちがビジネスカップルだっていう声が多くて、それがいちばん傷つくんですよね。これだけの信頼関係を築いたからこそ自然な動画を撮れているのに、それが伝わらないのが悲しくて。そこがちゃんと伝わったらいいなって。私はそれかな。だって、仲が良くなきゃ絶対にできないですよ。
撮影=山本茂樹/文藝春秋
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