「たばこ離れ」が話題になって久しい近年、過熱しているのが「加熱式たばこ」市場だ。特に、東京オリンピックを前に飲食店での喫煙制限が強化された日本では続々と各社から新製品が発売されており、いまや加熱式たばこにおける世界最大の市場になっているという。

 一方で、その内訳を見てみると2014年に登場したフィリップモリス社の「IQOS(アイコス)」が7割、ブリティッシュ・アメリカン・タバコの「glo(グロー)」が2割、JTのPloom(プルーム)は約1割と、シェアには偏りもおこっている。トップ企業が頭ひとつ抜けた市場環境の中で、JTは“打倒アイコス”に向けどんな工夫をしているのだろうか。Ploomの開発者であるRRP開発センターの井上康信氏と桝田雄気氏、JT商品企画部の塩月健氏と東別府洵氏に話を聞いた。

 

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――そもそも、「加熱式たばこ」とはどういう仕組みなのでしょうか。

塩月(マーケティング担当) 加熱式たばこは、たばこの葉を加熱させて発生する蒸気を愉しむ製品です。デバイスと呼ぶ加熱用の機器に、専用のたばこスティックを差し込んで吸います。紙巻きたばこと違って火を使わないので、煙や灰が出ず、匂いも気になりにくいのが長所です。新しい喫煙スタイルとして、市場は拡大しています。

塩月さん

――これまでも色々な「加熱式たばこ」が世の中に出ていますが、各社の商品や従来の商品で違いがあるのでしょうか。

東別府(マーケティング担当) 基本的には、各社たばこの葉を高温で加熱する「高温加熱型の加熱式たばこ」を展開していますが、弊社の加熱式たばこは高温で加熱するタイプと、低温で加熱するタイプの2種類があります。

東別府さん

 JTの高温加熱型の加熱式たばこ用デバイスは吸いごたえのある「たばこらしい味わい」が、低温加熱型の加熱式たばこ用デバイスは「たばこの臭い」が少ないのが特徴です。弊社が8月に新発売したPloomXは、高温加熱型の加熱式たばこ用デバイスです。