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加熱方法は「パニーニ」から

塩月 弊社の従来モデルには、スティックを差し込んでから吸えるまでの予備加熱時間が長いことと、吸い初めにタバコの味が出にくいという課題に加え、とりわけ、吸いごたえに関するお客様の満足度が低いことに対して大きな課題を感じていました。

 これらを解決すべく開発したのが、今回のPloom Xです。従来モデルよりも加熱温度を上げ、約295℃で加熱することで吸い応えを向上させつつ、匂いは低いままに抑えました。

 ちなみに公開されている資料によると、他社のアイコス、グローも同じ高温加熱式で、例えばIQOS 3 DUOは350℃以下の温度、グローは240℃から280℃に設定されているようです。

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井上(技術担当) また、加熱方法についても、「パニーニ」にヒントを得て仕組みを工夫しています。

井上さん

――パニーニって、あのホットサンドのパニーニですか?

井上 そうです。パニーニはパンをギュッと圧縮することで、加熱を速めているんです。Ploom Xも、デバイスに差し込んだスティックを変形させて圧縮させています。圧縮するとヒーターからの距離が短くなるので、スティックの内部まで早く温めることができるんですよ。

 このあたりはスティックを中心部から加熱するアイコスと異なります。Ploom Xは、スティックの周囲から加熱するので狙った温度帯にムラなく短時間で到達しやすい設計になってます。ただし、そのぶんデバイスが大きくなりがちですし、圧縮をかけすぎると空気が流れなくなるので、空気を流しつつ温めるバランスをとるのが大変難しかったところです。

たばこに熱した刃を刺すブレード型のIQOS(図左)と異なり、外部から熱を加えるPloomX(図中)は楕円の形になっているのがわかる

東別府 丸いスティックを使用後に引き抜くと、四角っぽく変形しているのがわかりますかね?

本体にスティックを差し込んで使用するPloom X

 こうやって四隅に隙間を作って、熱い空気を流すようにしているんです。また、スティックを周囲から温める加熱方法に加えて、スティック内部にも熱い空気を送り込む新しい技術も取り入れています。