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「厚さ1ミリで200℃落ちる断熱材を使って…」熾烈な設計スペースの奪い合い

桝田 井上さんとは、熾烈にスペースの奪い合いをしました。何といっても、熱の問題です。内部のヒーターが295℃もあるので、手に持ったとき熱さを感じないようにしなければいけないんです。通常、熱は外へ逃がす設計をすることが多いですが、この商品は手で持つので、逃がす場所がありません。さらに、熱を逃がしてしまうとたばこを温める効率が落ちてしまうので、熱を内部に閉じ込めなければいけません。

井上 技術の粋をつぎ込んで、熱を逃がさないようにしていますね。厚さ1ミリで、100℃ぐらいまで落ちる断熱材を使っています。

 

「私が取りたかった場所は、桝田さんに断わられました(笑)」

――冷ましたいけど冷ましたくない……まさに矛盾ですね。とはいえ、それでもまだ約100℃あります、まだ手では持てません。 

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桝田 そこからが大変でした。外装までの距離が短いですからね。

井上 断熱材の厚さを2ミリにすればさらに温度を落とせるわけですが、持ちやすさを考慮すると、その1ミリが取れません。そこで、わずかな予備の領域の取り合いでケンカになったんです。しかし私が取りたかった場所は、桝田さんに断わられました(笑)。

東別府 実際、本当に最初のころの海外で作られていた加熱式たばこ用デバイスには、駆動させると結構持っていられないくらいの熱さを感じる製品もありました。熱の処理はそのころからの問題ですから、技術的にも非常に難しいハードルだと思います。