「サイドプランナー」の副業システムは、概ね以下のような手順だ。
利用者が電子書籍を購入し、初期費用を払うと担当者から電話がある。担当者からは有料の「サポートプラン」が提示される。最も低価格のプランは「ビギナー」コースで、サポート日数25日、販売価格8万円、想定総収益12万円となっている。
続いて「レギュラー」「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」などとランクアップ。最高ランクは「プレミアム」の名称で、サポート日数90日、販売価格180万円、想定総収益250万円が提示されている。
金銭の話になると高圧的な口調に
ここに1本の音声データがある。
T-cloudの利用者のひとりが、サポート担当者との電話のやり取りの一部を録音していたものだ。利用者は実際に副業を始めてみたものの、想定通りの収益はとても得られなかった。頼みのサポートを受けようとしても「被告会社からはおざなりのサポートとは呼べないようなサポートしかされず、時には罵倒され、精神的な苦痛を受けた」と強調している。
サポート担当者「作業していないのにおカネなんて稼げるわけないじゃないですか! 何を言っているんですか。人のことをバカにするのもいい加減にしてくださいよ! バカにしてますよね」
利用者「ええちょっと、何かガーと言われると頭の中が…」
サポ担「いやバカにしてますよ」
利用者「僕の中では何て言うか、サポート…」
このように、「作業していないのに、カネを稼げるわけがない」などと高圧的な口調で迫られたという。当初は物腰柔らかく対応していた担当者が、金銭の話になったとたんに高圧的になったそうだ。
激減した収入を補填できるならとはじめたが…
こういった被害を受けた利用者は他にもいる。
首都圏で化粧品販売のアルバイトをしている20代の女性は、コロナ禍を受けて職場から仕事を減らされてしまい、収入も激減。「今年2月ごろに副業サイトを見つけて、収入を補填できるなら『やってみよう』とはじめた」という。
申請するとすぐに、物腰が柔らかく、受け答えも丁寧な男性が電話をかけてきたという。被害女性が振り返る。
「副業の内容や、サポートプランの説明などをしてもらいました。会話を続けるうちに自分が好きなアイドルのポップミュージックの話で盛り上がったんです。そこで『始めてもよいかな』と考えました」