「好きな曲でも今は聞いていると悲しくて涙が止まらない」
当初は「おカネがさほどない」と話したというが、担当者からは「もし本気でやる気があるなら、消費者金融で借りたほうがいい」と言われ2社から50万円ずつ、計100万円を借り、100万円以上を支払ったという。
無料アプリを登録して、ネット上の15個のゲームをダウンロードした。その後、サポートの電話がかかってきたが、勧誘の時の電話の男性とは違い高圧的だったために、「やめたい」と申し出ると、今度は「ブログを書く仕事をしよう」と提案された。ところが話を聞いていくと「まずは50個、ブログを書いて」といった無理難題をつきつけられ、実質的に実現不可能なため、1カ月後にはやめたという。100万円の返金にも応じてもらえなかった。その後は、サイドプランナーで副業を始めたことについて後悔の日々を過ごしている。
「今ではやらなければよかったと思います。自分がこのような被害に遭うとは思ってもおらず、情けないです。『どうにもならない』と分かって以降、何もやる気がなくなってしまいました。ずっと暗い気持ちが続いています。
勧誘の時に電話でアイドルグループの話で盛り上がったことを思い出してしまい、好きな曲でも今は聞いていると悲しくて涙が止まらないことがあります。とにかく全額返してほしい。情けないのもありますが、それ以上に怒りの気持ちが大きいです」
「ブログを100個書いてください」どう考えても無理なことを要求
関西地方でバスの運転手をしていた50代の男性は、コロナ禍で外国人観光客がいなくなったために仕事がなくなり、会社を解雇されてしまった。その後、今年2月ごろにサイトを知り、藁にも縋る思いで60万円を支払って始めたという。
実際にはじまると、クレジットカードを作らされ、商品の転売などを指示された。だが、収入が得られないとわかると、前出の20代女性同様に「ブログを書いてください。アクセスがあれば収入となります」と言われた。
被害男性は悔しそうに回顧する。
「勧誘では『分からないことはサポート電話ですぐに対応します』などと言っていたんです。最初の人は口がうまいし、口調も柔らかなんです。しかし、その後のサポート電話は口調も高圧的で『ブログを100個書いてください』とか、どう考えても無理なことを要求してくる。しかも電話は2回ほどしかなく、内容は納得のできるものではありませんでした」