ポケカ1枚が4000万円 海外でのけた違いな“爆上がり”
150円のカードが10万円に吊り上がるのだから、それだけでもすごい話だが、海を越えるとその転売額は桁違いに“爆上がり”する。
「現在出ているものとカード背面が異なる『旧裏カード』で、状態が綺麗なものでは100万円を超える金額で多数出品されています。希少価値の高い限定品はさらに高値がつくことも多く、世界に100枚しかない『ゼクロムGX HR プロモカード』は200万円以上で取引されています。
海外でも、こういった限定商品が人気なんです。しかも日本限定発売のカードなんかは海外の方が購入率が高い。日本と比べてコレクター人口が多いこともあって、取引額もウンと跳ね上がります。日本円で約4000万円のカメックスが落札された時は話題になりましたね」(前出・カードショップ店員)
強奪未遂、偽造カード…激しすぎる事件
また、日本と同様に海外でもポケモンカードを巡って事件が発生しており、その内容もより過激になっている。
アメリカでは2021年5月、MLB(メージャーリーグ)カードを購入した男性が、カードショップを出た直後に4人の男に襲われた。男性は拳銃を取り出し身を守ることができたが、これら一連の騒動を受け、アメリカ小売り大手「Target」は同様の事件が起こる危険性があるTCG(ポケモンカード、MLB、NFL〈ナショナル・フットボール・リーグ〉、NBA〈ナショナル・バスケットボール・アソシエーション〉)の店頭販売停止を決定した。
11月23日には中国・上海浦東国際空港で、7.6トン以上もの偽造ポケモンカードが押収されたこともあった。偽造カードをヨーロッパ各国へ販売しようとしていたようで、知的財産の侵害に関する商品の中では最大級の量だった。
冒頭で話を聞いた、池袋で働くアメリカ出身のブレさんが嘆く。
「好きなものを通して好きな人と直接繋がれる最高のツールなのに、誰かのお金を生むだけの道具になったり、誰かに迷惑をかけるものになったり、犯罪の原因になって誰かが悲しんだり。これじゃ現実世界も仮想世界も全然豊かじゃないよ」
12月には、新弾パック「VMAXクライマックス」や、すぐに遊べる100種類のスタートデッキが発売される予定だ。“ポケカバブル”ははじけず、また混乱を招いてしまうのだろうか。