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“離婚の約束”=“離婚約”をして約1年半…「結婚生活で私のどんなところがダメだった?」 夫からの“想定外の答え”とは

『離婚約、してみました。 別れてもヨリを戻しても幸せになるために』より #2

2021/12/13
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経済面の自立は大きな問題

 では自分の気持ちは本当のところどうなんだろう?

 コロナ禍でいろいろなことが浮き彫りになりましたが、夫婦関係もそのひとつだと思います。リモートになってずっと家にいる生活が続く中、妻が食事の支度をすることは当然のことと信じて疑わない夫や、妻の不在にいい顔をしない夫に対し、ついに愛想が尽きて本気でひとり暮らしをしたいと言い出すママ友。

 今まで見たことがなかったけれど、リモートワークに切り替わったせいで実際に仕事している夫の姿を目の当たりにして、こんなにも仕事ができない人だったんだと尊敬する気持ちがなくなったという友達。一方、子育てをこんなに一緒にできたのは初めてで、夫への好き度が増したというママ、共働きでワンオペだったのが完全に分業になり、苦手な買い物から料理まで全部やってくれて助かっている、性生活が復活した、頼りになる夫が側にいることが精神的に心強いと言う人たちも。

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©iStock.com

 そんないろんな周りの夫婦の話を聞く中で、自分がコロナに罹ったときの夫の態度や言葉、夫が罹ったときの自分の気持ちが、夫婦関係のバロメーターのひとつになるのではと思ったんです。きっかけは現在、離婚調停中で夫と別居中の友達がコロナに罹ったときの話。

 陽性だと発覚したときの夫の言葉が、「ふざけるな。俺に伝染ったら仕事にどれだけ迷惑かかるか。出歩いてるからだろ」だったんです。彼女は入院するほど症状がひどかったのに……。相手を思う気持ちがあれば、「大丈夫なの? 体調は? どんな具合?」と真っ先に心配しますよね。翻って我が身に置き換え、私は夫が罹ったらどう思うだろう? 友達の夫を批判していたけれど、全く同じように思うと思ったんです。

「え、罹ったの? 夜も出歩いてるからだよね。私の明日の仕事どうしよう」と。コロナは気をつけていても罹ってしまうし、本人のせいではないとわかっていても、もし夫が感染したら心配より先にそう思ってしまうなと。しかもそれはきっと夫も同じだろうなと。私が感染したら眉をひそめながら同じように言うであろうと想像もつきました。

 一方、日々の暮らしの中で、特段、深く考えることなくAmazonで本やコスメを買っていてふと思いました。Amazonは夫の口座からの引き落としになっているので、離婚したらこんなに気軽にポチポチできないよな。今はそんなに働かない月があっても焦らないし。それも全て夫がいるから。

 先生方の話や経験者の話を聞いて、気持ちはもうすでに終わっているとはっきりしたけれど、経済力の面ではひとりで生活していくことに不安があり、やっぱり覚悟が決めきれず、うだうだ。

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