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「残りの人生、もっと自分らしく生きる道を歩むために離婚に向けて自立と自律の準備をしよう」

 そんな折、海外に行く機会が訪れ、2週間ほど友人の家に滞在することに。そこでは時間に囚われず、仕事はそこそこ、家族や友人と過ごすことを大事にし、家で気負いなく作った料理で人をもてなし時間を気にせずおしゃべりするのが当たり前の日常。ビーチで寝転んだりヨガをしたり散歩したりと老若男女かかわらず人生の一瞬一瞬を楽しんでいる姿を見て、心の豊かさってこういうことかもしれないなって感じたんです。

 これが30代でもう少し若かったらそこまで感じなかったかもしれません。でも縁あってこのタイミングでこの地を訪れ、何かにつけ夫婦やカップルが一緒に行動し2人で微笑んでいる姿を見て素敵だなと思ったし素直に憧れました。人生100年時代と言われるけれど、100年生きるかわからないし、人生長いようでいてあっという間。それならば残りの人生、もっと自分らしく生きる道を歩むために離婚に向けて自立と自律の準備をしようと思えたんです。

 この本を書くことでじっくり自分と向き合え、今まで何となく生きてきてしまったことを思い知らされました。でも離婚約をしたことで、そうやって生きていられたのも夫や周りのお陰なのだと感じられたのは大きかったし、これから自分はどう生きたいかを立ち止まって考えられたのは必要なことだったと思っています。

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 離婚に向けて動こうという決意表明が離婚約だけど、最後までどうなるかわからないのも離婚約。離婚約は自分たちの決断を腹落ちさせ、それぞれが穏やかに次の人生に移行するための準備期間なのだと実感しています。夫婦の形はそれぞれで他者からはわからないことがたくさんあるけれど、夫婦の関係性が躓きそうになったとき、離婚約は今の時代の選択肢のひとつなのかなと思います。夫婦関係を見つめ直せる執行猶予期間になったり、家族のためだけではない自分の人生がどうありたいかを考えられるから。

 今現在、夫婦関係にモヤモヤしていたり、嫌気が差していたら、夫に離婚約を提案してみるとスッキリしたり、落ち着いたりするかもしれません。そんなこと話せる関係じゃないという方は、自分の中だけの離婚約でもいいと思うんです。何年か後に離婚しようと心の中で決める。そうすると夫を恨んだり嫌ったり憎む気持ちが少しはクールダウンできる。やっぱり家族で過ごす時間って自分の人生の大半だから、その時間を憎しみなどのマイナスな気持ちばかりで過ごすのって辛いし、気持ちも磨り減って自分もどんどんブス(言葉が汚くてスミマセン!)になっていってしまう気がして。それでなくても女性は育児、家事、仕事と大忙しなのに。だから自分の中だけでも結婚生活のリミットを決めることで気持ちも楽になるし、やるべきことを逆算して行動に移せると思うんです。

 約1年半後、私の離婚約はどうなっているんだろう? 人生はモヤモヤの連続ですが、一度きりの人生を自分らしく、幸せに過ごせる決断ができますように。

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