〈あらすじ〉
第二次世界大戦下のロンドン。9歳のマーティンの家に、類まれなヴァイオリンの才能に恵まれた、ポーランド系ユダヤ人の少年ドヴィドルが預けられる。同い年の二人は兄弟のように育ち、親友となる。1951年、すでに天才ヴァイオリニストとして賞賛されていた21歳のドヴィドルは、デビューコンサートの本番に現れず、消息不明となる。35年後、マーティン(ティム・ロス)は偶然得た手がかりをきっかけに、ドヴィドル(クライヴ・オーウェン)の生存を確信し、所在を探し始める。
〈解説〉
姿を消した天才ヴァイオリニストの行方とその理由を探る、音楽ミステリー。『ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声』のフランソワ・ジラール監督作。113分。
-
中野翠(コラムニスト)
★★★★☆時代背景が長期なので演者が変わり、とまどうものの、男同士の大河ロマンに。クラシック音楽の数々。時代衣裳にも注目。
-
芝山幹郎(翻訳家)
★★★☆☆有為転変を劇的に誇張する映画かと警戒したが、ローキーの芝居で制御している。音楽を小道具にしていないのにも好感。
-
斎藤綾子(作家)
★★★★☆ホロコーストの残酷さを直接的ではなく家族への想いで描く。死者の名前を覚える光景に想像を絶する悲しみを感じた。
-
森直人(映画評論家)
★★★☆☆スムーズな語りで手堅い出来。主題の選択も含めて良く言えば優等生だが、整備された既定路線を安全走行した感も強し。
-
洞口依子(女優)
★★★☆☆終始ヴァイオリンの音色に陶酔。特にパガニーニ作曲「24の奇想曲」。即興バトル場面も出色。謎解きの“個”も沁みる。
- もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
- 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
- 料金の価値は、あり。★★★☆☆
- 暇だったら……。★★☆☆☆
- 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
『天才ヴァイオリニストと消えた旋律』(英、カナダ、ハンガリー、独)
新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開中
https://www.songofnames.jp/