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「家族がいまどう暮らしているかも分からない」 20年間の服役を終えた男性が訴える、40年前の“冤罪事件”と“調書なき自白”

田園調布殺人事件は冤罪だったのか #2

genre : ニュース, 社会

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折山さんは「家族がいまどう暮らしているかも分からない」

 1985年7月に逮捕された後、折山さんは「事件がマスコミに大きく報道されている」と取調官から聞いた。そこで、弁護士を通じて妻に「逃げてくれ」と伝え、彼女と離婚した。逮捕前に自宅を出る際、妻と2人の息子に声をかけたのが最後に見た家族の姿だ。現在はどう暮らしているのかもわからないという。折山さんは今、東京都大田区の都営住宅で、弁当などの配達をしながら1人でひっそりと暮らしている。

折山さんの昭和59年頃の写真 いまは2人の子どもの消息も分からない 本人提供

 折山さんは今年、78歳になった。

「出所してからは、元受刑者であることがばれて何度も仕事をクビになりました。全て忘れて人生をやり直そうかと思いましたが、どうしてもできなかった。関係者もほとんど亡くなりました。自分ももういつ逝くかわかりません」(折山さん)

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取材に応じる折山さん ©️文藝春秋

「これが最後」と語る折山さんの3度目の請求は、果たして現代の司法に受け入れられるのだろうか?

「家族がいまどう暮らしているかも分からない」 20年間の服役を終えた男性が訴える、40年前の“冤罪事件”と“調書なき自白”

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