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2022年の論点

2022/01/03

source : ノンフィクション出版

genre : ニュース, 社会, 国際, 働き方

 メリンダは離婚前から積極的に慈善事業に携わってきた。2010年には国連総会において貧困撲滅やHIVの蔓延防止などを訴え、2019年のワシントンポスト紙の取材には「(虐待の被害者に直接会うなど)胸が張り裂けるような思いをすることが、仕事に取り組むエネルギーになる」と話している。世界最大の慈善団体「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」の立ち上げをはじめ、夫ゲイツが慈善活動に参画するようになったのは「メリンダのおかげ」(ゲイツ周辺)だという。

ベゾスが絶対にやらないこと

 一方のマッケンジーはベゾスとの離婚が決まるや否や「元夫が絶対にやらないこと、すなわち壮大な資産を世界の人々と共有すること」(ヴァニティ・フェア誌)に着手した。ちなみに米国の長者番付トップ5のうち、「ギビング・プレッジ」(寄付誓約宣言:ビル・ゲイツや投資家のウォーレン・バフェットらが富裕層の寄付を促すために始めた慈善活動)に参加していないのは、ベゾスだけだ。

 離婚後に5億ドルのスーパーヨットを購入した元夫がアマゾンの社員によるストや労働環境の問題、環境問題などで叩かれているのを後目に、マッケンジーは矢継ぎ早に59億ドル(約6480億円)の寄付を行った。

寄付が生む恩恵の副産物

「私には不釣り合いなほどのお金があります。金庫が空っぽになるまで寄付し続けます」と宣言した通り、2020年に全世界で行われたコロナ関連寄付金の約20%が彼女によるものだった。さらにこの年、支援先候補となる6490もの組織・団体を徹底調査し、最終的に384団体への寄付を決めている。

 寄付先決定にあたっては、単に研究を行ったり、プログラムを運営したりしているだけではなく、それらの取り組みが社会やコミュニティにどのような影響を及ぼしているかを重視しているようだ。

「寄付を行うことで初めて気づいたことがあります。それは私が寄付することでその団体やそれを率いている人々、活動に関心を抱いてもらえる、という恩恵の副産物です」(マッケンジーのブログ)