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撮影したヤクザの刺青は…150人分!
撮影したヤクザは全部で150人ぐらいに上ります。ヤクザは自分の刺青を隠したいのではなく、見せたいという気持ちも強いんです。服を脱ぐだけでなく、パンツまで下ろすヤツもいましたよ。「俺のは大したことないですよ」と言いながらも嬉しそうなんですよね。
――捜査官としてかつて逮捕したヤクザが殺されるようなことがあっても、最後まで付き合う、という気持ちだったのでしょうか。
櫻井 私はそういう気持ちで言っていました。ただ、撮られる側は「何かあった時に見つけてもらえる」と撮影に応じたかもしれないし、ただ単に見せたかっただけかもしれません。真意は分かりません。ただ、そのように説明して写真を撮っていました。
中には「写真を撮らせてくれ」と言えない捜査官もたくさんいます。「何でだよ」とすごまれて説明できないとか…。自分の場合は「お前に何かあっても特定できないぞ」とはっきり説明します。言葉のやり取りで本気で自分のことを考えてくれていると分かってもらえばよいのです。
読むのは「実録本」だけ。フィクションは読まない
――敵を知るには知識を蓄えねばなりません。多くの書籍、映画などにも目を通してこられたと聞いております。
櫻井 私が読んだのは実録本だけですね。フィクション作品は読みません。ヤクザの大物の人生などを書いたものを多く読みました。捜査をするうえで組織の沿革とか、親分の人生を知らなければなりません。知識を吸収したうえで、若いヤクザには本人が知らないことでも、例えば組織について、親分についてなどいろいろと説明します。すると相手も「この人は知っているな」と思うようになるんです。