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「瞳の動きは心の微細な動きを表わす」

 ヤクザとの雑談の材料となるので、こうしたことを積み重ねてきました。ただ、ヤクザのことを理解しても、ヤクザがやってきたことは許されることではありません。ヤクザの事件には被害者がいます。被害者のためにも、しかるべき捜査はやらねばなりません。

――著書では、取り調べの際に「瞳の動きは心の微細な動きを表わす」と書いています。

櫻井 これは刑事にるための捜査教習で教わりました。教官が目が書かれた紙をバーンと黒板に貼って、「ここ見てしゃべるんだぞ!」と。なるほどと思ってそれを長年続けてきました。続けていくうちに、逮捕したホシが心を開き始めたとか、今動揺しているな…とかは分かるようになります。ウソを言っているなということも読み取れます。絶対に口を割らないような頑ななヤツでも、本ボシなら瞳が微妙に揺れるんです。じっと見つめられると「まずいなぁ」という気持ちになるんでしょう。

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 逆に全く事件に関与していない人であれば瞳は揺れないし、やっていないと訴えます。それを聞けば「本当にやってないんだな」というのが分かるんです。

ヤクザに浸透した「四課ブランド」とは?

――2003年に警視庁に組織犯罪対策部が設置された際に、それまで暴力団犯罪捜査を担ってきた刑事部の捜査四課の呼称と同じ、組織犯罪対策「第四課」としてほしいという要望が現場の刑事から多かったと聞いています。「四課ブランド」のようなものもあるのでしょうか。