「文藝春秋」2022年1月号より、本郷恵子氏(東京大学史料編纂所教授)、野田佳彦氏(元内閣総理大臣)、古川貞二郎氏(元官房副長官)による皇室鼎談「愛子天皇は実現するか」を一部公開します。
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愛子天皇が実現する日は
野田 最近は国民の間でも「愛子天皇待望論」が話題になっていますが、私はそれも選択肢だと思います。
本郷 4月の有識者会議のヒアリングの場で、「内親王・女王に皇位継承資格を認めることについてはどのように考えるか。その場合、皇位継承順位についてはどのように考えるか」との質問項目があったんです。愛子さまの皇位継承も想定に入れた質問だと思いますが、「資格の拡大には一定の根拠があり、自然な流れである」と答えました。
全く異なる2つの進路
本郷 過去の歴史を振り返っても、10代8方の女性天皇が存在していましたし、一方で例えば、大臣や大納言の職には、女性が就くことは決してあり得ませんでした。そう考えると、天皇というのは他の職とは違って、公的な役割であると同時に、皇族の血統を備えた身体や生理そのものとして捉えるべきであって、そこには女性を排除する論理は入ってこないと考えられるからです。
野田 早急に決めないといけませんね。愛子さまは成人されたのに、「将来、天皇になるのか」「結婚したら民間人になるのか」と全く異なる2つの進路がまだ開かれている状況です。あまりにお辛いと思います。