12月1日、今年の「タレントCM起用社数ランキング」が発表されました。1位は16社の本田翼、2位は15社の芦田愛菜、3位は広瀬アリス&すず姉妹が揃って12社。CM数のランキングは、タレントの人気を測るバロメーターの一つと言えるでしょう。
しかし、人気があるからといってどんな商品のCMキャラクターでもハマるわけではないところが、また興味深い。例えば、活動をセーブしながらも1位に迫る芦田愛菜さんは、現在サステイナブルを呼びかけるサントリーの企業CMに出演中です。
「透明感」「清潔感」「聡明さ」を兼ね揃えた逸材
他の商品に比べてハードルが高く、適した人材も絞られてきそうなこのCM。まず、「透明感」は絶対に必要な要素と言えるでしょう。サントリーといえば天然水ですが、やはり水のイメージと重なるクリアな人柄、偏ったり特定の色あいを感じさせないキャラクターが求められる。
「清潔感」も大事です。しぐさから容姿、語り口に至るまできちんとしていて健康的。スキャンダルの匂いとは真逆なところにいる人。
そして、特に求められる要素が「聡明さ」。なぜなら、ペットボトル飲料はもはや単なる飲料ではないから。原材料となる水は地球から与えられた生命の元であり自然環境に大きく左右され、SDGs・サステイナブルという今のテーマに通じる。
となると、CMキャラクターにも山と海、空と大地と人といった複数の視点を持つ「聡明さ」があってほしい。言い換えれば、「自分は自分以外の恩恵によってなりたっている」と思えるような謙虚さ、一歩引く感じがほしい。
そう、サステイナブルに「押しの強さ」はいらないのです。
たとえ人気者であっても「私が私が」という強い自己主張を感じさせたり派手な個性で他と差別化を狙っている人は対象外になりそう。
あらためて先のランキングを眺めると……芦田愛菜さんはたしかに「透明感」「清潔感」「聡明さ」の3要素を満たしていると言えそうです。
「天才子役」から「考える女優」に成長
ご存じ、芦田さんの出発点は子役。ドラマ『Mother』(日本テレビ・2010年)で5歳としてはあまりにリアリティのある演技を見せつけ、「天才子役」と大喝采されました。翌年放送の『マルモのおきて』(フジテレビ)では、鈴木福くんとカップルで「マル・マル・モリ・モリ!」と踊ってみせて可愛らしさが全開に。
中学生になると天皇陛下の即位を祝う「国民祭典」で着物姿で堂々たるスピーチを披露し、かつての相棒・鈴木福くんも尊敬のまなざしで芦田さんの器の大きさを讃えました。