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ここ数年で急激に「シバリ」がなくなっている

 そこに繋がるのが、【シバリの消滅】だ。

 昭和から平成の芸能界で存在したのが「1年縛り」や「2年縛り」などと呼ばれた暗黙のルール。大手の事務所を辞めると、1~2年間はテレビ等に出演できないなどの休業状態となることが多かった。悪く言えば、「干される」わけだ。

「不文律の場合もあれば、契約書に『退所のあとは〇年間芸能活動を休止する』と書かれていた場合もあったが、業界内ではそれが粛々と守られていた。だがここ数年で急激にそのシバリはなくなってきたように見える」(芸能事務所幹部)

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 芸能人の独立や事務所移籍を阻む古く悪しき慣習は、15年ののん(能年玲奈)の事務所独立騒動や16年からのSMAP解散と元メンバー3人の移籍にまつわるトラブルなどにより社会問題化。18年2月には、公正取引委員会が独占禁止法に触れる可能性を指摘する事態となった。

「翌19年には公取委がジャニーズ事務所に、『新たな事務所に移籍した稲垣吾郎、香取慎吾、草彅剛の3人をテレビ起用しないように局に圧力をかけている疑い』について、注意をした。これには業界内で衝撃が走り、その後変わる大きなきっかけとなった」(同前)

 たとえ両者納得の円満退社であっても、1年・2年縛りがあればその間食うのに困る事態になる。それが解消され、翌日からでも新たな環境で仕事ができるのは新たなムーヴメントだ。

米倉涼子 ©getty

芸人にとっては「コンプライアンス」が窮屈に

 かたや芸人の世界から多くあがるのは、【コンプライアンスの更新についていけない】との声だ。

「大手事務所は昨今のコンプライアンス事情に敏感で、クレームや炎上を防ごうと一生懸命。所属芸人からすると、テレビで出来ないネタや、放送では使えないとされる言動ばかりが増えた感じがする。やりたいネタをやるためには、自分で小屋を借りてライヴ活動をメインにするしかない」(大手所属芸人)

 テレビに多く出たい、幅を広げて役者業にも挑戦したいといった野望がないのであれば「独立系」になったほうが自由だという選択だ。