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「家族仲はよかったけどいじめで…」容疑者2人の悲しい素顔と、元交際相手の後悔「致死量の動機はきっと僕に」《“オーバードーズの会”死亡事件》

genre : ニュース, 社会

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《M氏と車で遊びに行く》

 このメッセージを元交際相手に送った19歳の少女は半日後、自宅である京都府から100㎞以上離れた滋賀県のアパートで遺体となって発見された。

 12月12日、滋賀県守山市内のアパートで京都市伏見区に住む篠原聖奈さん(19)が遺体で発見された事件。岐阜県関市に住む無職の金城え夢容疑者(21)と、無職の入江公史郎容疑者(38)が未成年者誘拐の疑いで逮捕された。《M氏》とは金城容疑者のことだと推測される。

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遺体が見つかったアパート ©文藝春秋

定期的に「オーバードーズの会」を開いていた

 12月11日15時45分頃、金城容疑者が篠原さんを「知り合いの男の家にいるけど来ない?」と電話で誘い出し、入江容疑者の運転する車で篠原さんを迎えに守山市から京都市内へ向かった。3人は合流後に守山市へと向かい、同日18時頃に両容疑者が篠原さんを入江容疑者の住むアパートに連れ込んだとみられている。

 篠原さんが遺体となって発見されたのはこの12時間後。着衣の乱れ、出血や外傷はなく、死因は薬物中毒だった。入江容疑者宅のゴミの中からは、抗不安剤、睡眠導入剤、咳止め薬などおよそ100錠分の空殻が見つかっている。

篠原さん (知人提供)

「警察は3人が“オーバードーズ仲間”として集まったとみている。3人それぞれが愛好者で、SNSで知り合った仲間同士で定期的に『オーバードーズの会』を開いていたようです。取り調べに対しても、両容疑者は『私たち3人はオーバードーズ仲間として会っていた』などと供述しているそうです」(社会部記者)

 被害者、容疑者共になぜここまで薬に依存し、“オーバードーズ仲間”として集まることになってしまったのか。取材を進めていくと3人の素顔が明らかになってきた――。

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