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路面はボロボロ、斜面からは落石多数…日本屈指の「酷すぎる国道」を12時間かけてドライブしてみた――2021年BEST5

「日本三大酷道」国道425号のリアル

2021/12/27

genre : ライフ, , 娯楽, 社会

note

全線走破できたのはたった1回だけ!

 私が最初に425号を走ったのは、約20年前のこと。それ以来、10回ほど訪れているが、迂回せずに全線を走破できたのは、最初の一度だけだ。

 近年では2017年から今年にかけて5回チャレンジしているが、全て失敗している。

いつもどこかが通行止めになっている。私も全線走破できたのは10回中1回だけだ

 長い酷道区間のうち、どこかが災害によって通行止めになっており、走行できなかったのだ。ある時は林道で迂回して先へ向かい、ある時はその後の行程変更を余儀なくされた。それゆえ、国道425号は、“開かずの国道”といっても過言ではないだろう。

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 そんな酷道425号を、起点の三重県尾鷲市側から見ていこう。

あるときは問題なく走れる道でも……
別のタイミングでは通行止めになっていることも多い

2車線の立派な道路かと思いきや……

 起点のすぐ近くに紀勢自動車道の尾鷲北インターチェンジが2012年に完成したため、ほんの少しの区間だけ2車線の立派な道路に整備されている。しかし、走り始めたら心の準備をする暇もなく、あっという間に目の前は酷道と化し、心細い道で山を登ってゆくことになる。

 対向車とすれ違うことが出来ないトンネルを抜けると、これまで並走してきた又口川と別れ、古川に沿って延々とクネクネ道が続く。

2車線の立派な道路を走れるのはほんの少しの区間だけで……
すぐに酷道が始まる。対向車とすれ違えないトンネルが、土砂崩れで通行不能になっていたことも
古川に沿って、細いクネクネ道が続く

 奈良県に入り坂本ダムが近づいてくると、立派な滝が見えてくる。上の銚子滝と下の不動滝が2段になっていて、併せて125mもの落差がある。非常に壮観で、観光名所になってもおかしくないほどの名瀑だ。こうした絶景を道路上から眺めることができる。しかも、それを独り占めできるというのは、酷道の大きな魅力だろう。