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お笑い好きの間で本命視されているのは?

 ランジャタイと並んで注目されているのが、同じく初決勝組の真空ジェシカである。ボケ担当の川北茂澄は大喜利力の高さに定評があり、個人として『R-1グランプリ』(当時の表記は『R-1ぐらんぷり』)で準決勝に進んだこともある。

 もともとトリッキーなボケを仕掛けてくる曲者というイメージが強かったが、最近では漫才の構成力が高くなり、さらにスキがなくなって面白さが倍増した。漫才以外の場面での向こう見ずな悪ふざけにも定評があり、ファイナリスト発表記者会見の席でも脈絡なく小ボケを連打していた。ランジャタイと並んで「何をしでかすかわからない」という危険な香りを漂わせている奇才である。

 準決勝の戦いぶりを見たお笑い好きの中で密かに本命視されているのはモグライダーである。東京のお笑いライブシーンではすでにその名は轟いている実力者だが、賞レースにはずっと縁がなかった。今年は今まで以上にネタの面白さに磨きがかかり、賞レースで勝てる漫才をきっちり仕上げてきた。芝大輔は的確なツッコミと仕切りに定評があり、ともしげは狂気を秘めた天然キャラである。キャラの強い2人は『M-1』で結果を残せればバラエティ番組でも即戦力となるだろう。

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【Twitter】的確なツッコミと“狂気”が魅力のモグライダー
 

 ロングコートダディは、とぼけた味わいのコントの達人として知られ、コントの大会『キングオブコント』でも決勝に進んだ経験がある。今回の予選で披露したのも、コントに入るタイプの漫才だった。見るものの思考を誘導していき、そこからの裏切りで笑いを生んでいく。おとなしい芸風だが破壊力は抜群だ。

 ももは王道のしゃべくり漫才を得意にしている。テンポのいいリズミカルな掛け合いが心地よい。ももはかつての王者であるミルクボーイと同様に、汎用性の高い漫才フォーマットを持っている。優勝かそれに近い活躍をすることがあれば、テレビやCMで引っ張りだこになるのは間違いない。

3回目の決勝を迎える“常連組”も

 ここまで挙げた5組が初決勝組であるのに対して、3回目の決勝を迎える常連組が、オズワルド、ゆにばーす、インディアンスである。いずれもキャラクターを巧みに生かしたハイクオリティの漫才を演じている。キャラ立ち、技術力、構成力、すべてに秀でている総合力の高い彼らが、今年も順当に勝ち上がってきた。