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必死のアドリブが生んだ「笑い」

前島 2009年は『ホテルマン24時』だったと思うんですけど、一緒に出演していた人(森三中・黒沢かずこ、ブラックマヨネーズ・小杉竜一、FUJIWARA・原西孝幸など)が即興劇を始めたんですよね。あれも全部アドリブで乗り切りましたよね。ですから、名前を聞かれて本名を明かしちゃった。本当にその場その場で自分なりに機転を利かすしかないんですよ。

「新おにぃ」という役を演じているつもりはなくて、本当にそのときに必死なだけ。しかも、『笑ってはいけない』では、自分が出る出番って、いつになるかわからないんですよね。いつ声がかかるかわからないから、とにかくいてくださいという状態。

――前島さんの真摯な姿勢(素材)をそのまま出すのが一番面白いと思ったんでしょうね。ちなみに、ダウンタウンをはじめ演者の方と何かお話ししたりすることはあったんですか?

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前島 特にはなかったなぁ。話したのは、遠藤(章造)さんぐらいかな。おにぃとしては先輩ですから(笑)。話すといっても彼からいじられるだけなんですけど、そしたら松本(人志)さんが「そこまで聞くんじゃない」みたいなことを言っていましたよね。

 

 私から質問があるときはスタッフも答えてくれるんですけど、こちらが特に何か聞きたいことがなければ、何か言われることはなかったですね。特に、指示とかはなかったですよね。

新おにぃの名言が生まれた瞬間

――2011年の『絶対に笑ってはいけない空港24時』ではドラマの登場人物として登場します。「新おにぃ」屈指の名言である「どけ、どけ、どっけ~どっけ~!」含め、演技プランは前島さんが?

前島 シナリオはきちんとあったんですけど、「どっけ~どっけ~!」は自分で考えたんですよね。「どけ」っていうセリフはあったんですけど、それだと面白くないから、自分なりにアクセントをつけてみた結果、ああなった。

 

――天才すぎますよ(笑)。

前島 やっぱり笑わせなくちゃいけなくて、それが一番念頭にあるんですよね。ですから、プレッシャーもありましたし、辞めたいなって思うときもありました。私は何が面白いのかわからないけど、やるからには納得してやりたいという気持ちもあって。

 それで「新おにぃ」として6年出演してみたんですけど、2013年の時点で私は71歳、孫も2人いました。大きくなった彼らは、私が「新おにぃ」だったことを知っているんですけど、あんまり興味ないみたいですね。

突然、姿を消した理由は

――ところが、2014年から前島さんは一切登場しなくなります。何か理由があったのでしょうか?

前島 実は、2010年にプライベートで大きな怪我をしてしまったんですよね。元々体を鍛えるのが好きだったし、人様の前に出るためには体はきちんとしておかないとって意識もあって。それで定期的にジムに通っていたんですけど、その最中に首に大怪我をして、 緊急手術をするような状態になってしまって。