――その頃、つしまさんはしんどい状態にあったのですか。
つしま 精神的には安定してたと思うんですけど、私が仕事をしていなくて、ひきこもりっちゃひきこもりだったというか。家で過ごすばっかりで。そういう面で社会参加になると考えてくれてたんですね。
それ以前にも漫画はやっていたんですけど、当時は描いていなくて。それで友人に「描いちゃいなよ」と言われて、ネタがあるんだったら描くかってのもありましたね。
実際、描いていて楽しかったですし。面白く描けるのかなみたいな不安はちょっとあったけど、基本的に気楽でした。その頃はTwitterのフォロワー数も40人とかで、ちっちゃくやってたので友達に見せるぐらいの気持ちで描いては投稿してましたね。
――漫画を描くにあたって、ガチッとした意義を掲げていたわけではなかった?
つしま 掲げはしなかったですね。あわよくば読んだ人に、ちょっといい気分というか、いいものを受け取ってもらえたらいいなとは思っていたかもしれないですけど。書籍化のお話をいただいた時は、なにかしらのマイノリティだと感じている方に前向きな気分になってもらえたらという想いを込めて臨みました。
漫画を作る過程で、2人の関係も良好に
――わふこさんからも、「描くならこういう感じで」みたいな話をしたりとかは?
わふこ こう描いたらとは言わないけど、ネタ帳的なものは用意しましたね。
つしま ふたりで、ネタ出しはしました。たとえば“セルフ去勢”みたいな、私が知らなかったことは、彼女にその時の気持ちも書き出してもらって漫画にしました。そこでやっぱりいろいろ出てきたり、あらためて振り返ったりとかして、いっぱい話をできたなと思います。
漫画によってというより、漫画を作る過程でいっぱい話ができたという感じ。「あの時、こう思ってた」「こっちはこう思ってた」という話をするのって、関係をいい感じに保つには重要だと思いましたね。
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