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 ソウギョが陸に生えたアシをどうやって食べるのかというと、干満差のあるエリアだと満潮時に水に浸かったアシ、あるいは風でなぎ倒されて水面に接触しているアシを食べているのだ。また水面から顔を出して食べるほど貪欲でもある。

 アシが群生するポイント、すなわちそこが回遊コースとなりえるのだ。

 しかし近年、江戸川は護岸整備されているため水際にアシが生えたポイントが意外と少なくなっている。Googleマップで確認してポイントを絞った。

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 現地に到着すると青々と生い茂るアシが見えて安心した。

川辺にはアシが茂っていた

 この日は釣り竿は出さずに、岸際のアシをなぎ倒してソウギョが食べにくるのか一晩置いて確認することにした。

アシを水に沈める

ソウギョの存在を確認

 翌日、なぎ倒したアシを確認すると、葉っぱをバリバリ嚙み切った跡がある。

バリバリとかじられた跡が……

 確かにソウギョは昨晩のうちにここに来て草を食べていたのだ。1メートルを超える魚体が、こんな岸際まで接近していたと考えるとワクワクが止まらない!

 早速準備して釣りを開始。

 仕掛けは、餌のアシに3本の針を見えないように付けて水面に浮かせてアタリを待つ「浮き草釣法」。

 こんな仕掛けで1メートル超えの魚が釣れるのか疑問に思うかもしれないが、アシを食べに来たソウギョにとってはこれ以上ない「特餌」なのだ。

針3本の浮き草仕掛け

 ちなみに、これは関東のソウギョ釣りでは伝統的な釣り方である。

 ソウギョが岸際を回遊する確率がもっとも高いのは潮位が高い時間帯。つまり、満潮前後2時間くらいをピークと読んで釣りを行った。

 どんなアタリ方なのだろうか、どんな引きをするのだろうか――。水面に浮かぶアシをじっと眺めながらソウギョが顔を覗かせるその時を待った。

川に仕掛けを浮かべてみる

 しかし、この日はおろか、この年に数回釣りを行ったが何の釣果も得られなかった。1年に1回しか釣行に挑めなかった年もあったが、いつしかソウギョを釣ろうと思い立ってから3年の月日が流れていた。

ソウギョを求めて釣りキャンプ

ソウギョを釣るまで帰れま10(てん)

 ソウギョを本格的に狙うため、挑戦4年目となる年には、テントを張って1泊2日の釣りキャンプ体制をとった。釣れなかった経験のなかで、自分なりにソウギョを釣るための条件をまとめてみた。

・満潮前後なら、昼夜問わず岸際を回遊する(特に朝方に反応が多い)

・浮き草釣りは針を見切られやすい(付け方を熟練しなければいけない)

・ソウギョの警戒心は意外と高くない

・青汁を撒いても集魚効果は薄い

 これらの経験を活かして、今年こそ必ず釣ると心に誓った。

 仕掛けはビニール紐に2本の針を結んで、アシの枝1本を付け餌にしたものを川に放り投げてみた。

新たに投入するビニール紐の仕掛け

 狙いとしては、針の付いた葉っぱを大量の葉でカモフラージュする作戦だ。