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「皇女」案の対象は、愛子さま、眞子さん、佳子さま、黒田清子さん。特例法を制定し、公務員としての手当ても支給されることが検討された。ご結婚を認められた眞子さんを「第一号」と意識しての新制度案であることは明らかだった。創設された場合は、眞子さんが結婚した後も皇室の活動を行っていくことになるが、果たしてそのお姿が見られるのだろうか。

皇室の仕事に戻りやすくするために

 眞子さんのご結婚前の儀式で最後まで決まらなかったのが「朝見の儀」だったという。宮内庁は小室さんに対するアレルギーによって、皇室全体が国民からの関心を得られなくなることを懸念した。

「陛下は、結婚した後もいつか眞子さまが皇室の仕事に関わることがあるかもしれないとお考えになられていた。そのためには、儀式を何も行わずに小室さんと海外生活に旅立たれてしまっては、国民感情としても違和感が残ったままで、眞子さまも皇室の仕事に戻りにくいだろうと、儀式を行うことが検討された」(宮内庁関係者)

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「皇女」に関する記事をネットで読まれたという愛子さまは、知識のひとつとして制度案の詳細と両陛下のご意見を会話の中で確認されたそうだ。

愛子さまを抱かれて宮内庁病院を退院される雅子さま、皇太子さま(当時)©JMPA

天上を見つめながら、どのような思いを抱かれていたのか

 だが、制度案の検討が進んでいる気配は一向にない。愛子さまがどのようなお気持ちなのかもわからないが、尊敬する両陛下のお考えを理解なさりたいというお気持ちが強いという。

 両陛下ご一家は、2021年9月6日、赤坂御所から皇居・御所(旧吹上仙洞御所)に引っ越しをされた。一時滞在された宮殿では、松の間(新任式や信任状捧呈式・歌会始などを行う)や竹の間、梅の間をはじめ重要な儀式が行われる正殿、一般参賀の長和殿、宮殿で最も広い豊明殿を御一家で見て回られた。両陛下は愛子さまの成年後を想定しつつ、儀式の順番や所作などを丁寧に愛子さまに伝授された。愛子さまは頷きながら、時折、高い天井を見上げられていたそうだ。

 愛子さまは、天上を見つめながらどのような思いを抱かれていたのだろうか。

◆このコラムは、政治、経済からスポーツや芸能まで、世の中の事象を幅広く網羅した『文藝春秋オピニオン 2022年の論点100』に掲載されています。

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