帰省の楽しみと憂うつが交錯している複雑な気持ち
「地元で暮らしている独身の友だちは、みんな実家を出てひとり暮らしをしています。話を聞くと『お姉ちゃんに子どもが産まれて肩身が狭い』とか『近くに住んでても、親には会いたくない』とか、やっぱりみんな悩んでますよね。私は都市部に住んでいて30代の独身女は珍しくないけど、地元は早く結婚する子も多いから……。親子関係だけでなく、周囲の視線という苦労もあるようです」
現在は結婚をする予定もなく、結婚願望も薄めという峰田さん。彼女は「心配な気持ちはわかるが、放置してほしい」と話す。
「私は大学進学のタイミングで上京し、就活に失敗して卒業後はフリーターでした。その頃は会うたびに『正社員になれ』っていわれてたんです。たしかに、親にしてみたら、その状況は心配ですよね。かなりの頻度で正社員になれと言われ続けて、4年前にやっと事務の仕事で正社員になったんです。
これなら文句はないだろうと思ったら、次は結婚。そのときに『ああ、たとえ結婚しても、次は子どもはいつなのか訊かれるんだな』と悟ったんです。永遠に終わりがないですよね」
コロナ禍以前、両親とともに初詣に行くと、母から「555円」を渡されたという。「ご縁がありますように555円を賽銭箱に入れなさいって。そんなに必死なの!? と思って、さすがに笑っちゃいました」と、峰田さん。
「今年はコロナを理由に帰省しなかったので、年末年始は穏やかに過ごせました。でも、今回はさすがに帰るように言われています……。もちろん、久々に対面で会えるのはうれしいですが、またしつこく結婚の話をされるんでしょうね」
今は帰省の楽しみと憂うつが交錯している複雑な気持ち、と峰田さんは話す。2年ぶりに故郷で過ごす年末年始、平穏に過ごせることを祈るばかりだ。