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「結婚しないのか? 子どもが産めなくなるぞ」「同級生の〇〇ちゃんは…」 昨年は帰省せずに済んだのに…帰省したくない人々の“言い分”

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2021/12/29
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帰省の楽しみと憂うつが交錯している複雑な気持ち

「地元で暮らしている独身の友だちは、みんな実家を出てひとり暮らしをしています。話を聞くと『お姉ちゃんに子どもが産まれて肩身が狭い』とか『近くに住んでても、親には会いたくない』とか、やっぱりみんな悩んでますよね。私は都市部に住んでいて30代の独身女は珍しくないけど、地元は早く結婚する子も多いから……。親子関係だけでなく、周囲の視線という苦労もあるようです」

 現在は結婚をする予定もなく、結婚願望も薄めという峰田さん。彼女は「心配な気持ちはわかるが、放置してほしい」と話す。

「私は大学進学のタイミングで上京し、就活に失敗して卒業後はフリーターでした。その頃は会うたびに『正社員になれ』っていわれてたんです。たしかに、親にしてみたら、その状況は心配ですよね。かなりの頻度で正社員になれと言われ続けて、4年前にやっと事務の仕事で正社員になったんです。

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 これなら文句はないだろうと思ったら、次は結婚。そのときに『ああ、たとえ結婚しても、次は子どもはいつなのか訊かれるんだな』と悟ったんです。永遠に終わりがないですよね」

 コロナ禍以前、両親とともに初詣に行くと、母から「555円」を渡されたという。「ご縁がありますように555円を賽銭箱に入れなさいって。そんなに必死なの!? と思って、さすがに笑っちゃいました」と、峰田さん。

©iStock.com

「今年はコロナを理由に帰省しなかったので、年末年始は穏やかに過ごせました。でも、今回はさすがに帰るように言われています……。もちろん、久々に対面で会えるのはうれしいですが、またしつこく結婚の話をされるんでしょうね」

今は帰省の楽しみと憂うつが交錯している複雑な気持ち、と峰田さんは話す。2年ぶりに故郷で過ごす年末年始、平穏に過ごせることを祈るばかりだ。

「結婚しないのか? 子どもが産めなくなるぞ」「同級生の〇〇ちゃんは…」 昨年は帰省せずに済んだのに…帰省したくない人々の“言い分”

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