リモートワークの普及や大規模な飲み会自粛など、これまでの常識をあらゆる角度でぶち壊した新型コロナウイルス。そして、昨年から今年はコロナの感染拡大や、高齢者への感染を避けるため“年末年始の帰省”という慣習も自粛が求められた。実際、コロナ禍の年末年始は自宅で過ごしたという人も多いだろう。

 もちろん現在も予断を許さない状況ではあるが、来る2021年から22年の年末年始は帰省する人々が増える見込みだ。その一方で「本音を言えば、昨年は帰省せずに済んでうれしかった」という人も少なくない。本稿では実家への帰省に憂うつを抱える人々に話を聞いた。(全2回の2回目。#1から読む)

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「義理の実家には帰省したくない」

 結婚をすれば、パートナーの生家も義理の“実家”となる。既婚者たちに話を聞くと「義理の実家には帰省したくない」という声が多く上がった。

「義母に『座ってていいから!』と強めに押し切られて、家事を手伝わせてもらえませんでした。にもかかわらず、自宅に帰ってから『オフクロから文句言われたんだけど……』と、夫経由で何もしなかったことを咎められる。じゃあ、いったいどうしろと?」(45歳・女性)

「義理の実家の“家”がものすごく寒い。先方も気にしてはくれるが、温めるのには限界があるし、ことさら寒いともいえない。帰省する度に、年末年始は子どもが風邪をひかないかひやひやします……。可能ならば夜はホテルに泊まりたいが、絶対に無理」(33歳・女性)

「近所の人々を呼んで集まるのが好きな義両親。年末年始も、親戚ですらない人々が義実家に大集合する。居心地の悪さがハンパじゃないし、少しでも私がスマホをいじっていると、素性もわからないおじさんから『つまんない?』と訊かれて、いちいち対応するのもめんどくさい」(24歳・女性)

「コロナ前までは、妻の一族全員で年末年始に旅行するのが定番のイベントでした。義実家に数日拘束されるよりはマシなんですけど、夜中に麻雀に呼ばれて断れず、次の日は貫徹のまま朝から観光地を巡る。この強行スケジュールはかなりキツい。年末年始はお金もかかるし、正直旅行しなくてもいい」(40歳・男性)

 このように、義理の両親・親類と過ごす年末年始は気疲れでヘトヘトになり、くつろぐどころではないようす。