妻のストレス発散のため、帰省は必要
水谷俊樹さん(45歳)も、妻の実家に行く度に「早く帰りたい」と考えながら過ごしているそう。
「毎回1泊の予定で帰省するんですけど『もっと泊まっていけ』と言われて、結局3泊くらいズルズルと泊まらせられるんですよね。義両親は70代後半なので『男は台所に立つな』って感じで、滞在中の3日間は強制的に義父とサシ飲みになる。ほぼ動かずにずっと食べ通し、飲み通しなのも地味にキツい」
親戚の集まりも肩身が狭く、水谷さんはタバコを吸うために何度も席を立つという。
「実家に帰るとタバコの消費量がかなり増えますね。家の中でタバコを吸っていいよ、とは言われるんですけど、さすがに誰も吸ってないところでは吸えないですよ。あと、タバコ休憩は心の避難場所でもあるので、どんなに寒くても外に出ます」
しかし、どんなに居心地の悪さを感じても、水谷家が円満に1年を過ごすためにも“妻の実家帰省”は欠かせない、と水谷さんは話す。
「年末年始の帰省は、妻にとってのストレス発散行事なんですよね。帰省中は気兼ねなく自分の両親に子どもを任せられるし、義両親も孫に会いたいからウィン・ウィン。『自分がいる意味はあるのか……?』という疑問もありますが、昨年はコロナで妻も帰省できなかったこともあり、鬱憤が溜まっていたかも。前よりも、ケンカの頻度が増えたような気がします」
そんな水谷家も、今回の年末年始は妻の実家に帰省予定とのこと。水谷さんは「自分だけでも1泊で帰れるように交渉してみます」と、意気込みを語った。
コロナ禍によって実家への帰省が当たり前ではなくなった。今回話を聞いた人々のように、これまでやりすごしていた不満も我慢できなくなった、という人もいるはず。もしかしたら、帰る人と迎える人、双方にとってベストな帰省方法を模索するチャンスは、まさに今なのかもしれない。