安いお店でもサービスが良い、礼儀正しい、マナーがいい、人が優しい、街がきれい……。外国の方からみた日本の魅力として、そうした特徴が挙げられることは多い。しかし、現役の訪日留学生によると、そうしたイメージが崩れ去ることもあるそうだ。
諸外国から来日し、学び、働く人々はいったいどのような感情を日本に抱いているのだろう。ここでは、マーケティングアナリストの原田曜平氏の著書『寡欲都市TOKYO 若者の地方移住と新しい地方創生』(角川新書)の一部を抜粋。6人の訪日留学生たちの座談会の様子を紹介する。(全2回の2回目/前編を読む)
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【座談会参加者】
ポパラッタ(男性・33歳・タイ)
来日3年半。HAL東京のWEB学科で学んでいる。卒業後は大学院に進学予定。日本のIT業界に就職希望。趣味はスキー、スノボ。現在、日本人の女性と交際中。
ケン(男性・32歳・香港)
来日3年半。東京観光専門学校のホテル学科に在学中で、小田原のホテルに就職が内定している。趣味はゲーム。座談会参加者のザビナとは1年半ほど交際中で、北区の志茂で同棲している。
ザビナ(女性・26歳・香港)
来日3年半。東京観光専門学校の旅行学科に在学中で、新宿のホテルに就職が内定している。趣味は特になしで、TVを見る程度。ケンと交際しており現在同棲中。就職後はケンの職場に近い小田原で同じく同棲予定。
リス(女性・20代・香港)
香港の日本語学校に通ったのち、来日して3年経過。日本女子大の大学院に在学中で、専攻は心理学。卒業後は博士号を取りたい。趣味はポールダンスと将棋。品川(しながわ)駅近くに住む。香港に彼氏がいて遠距離恋愛中。
キャサリン(女性・27歳・香港)
来日して3年。現在はデジタルハリウッド大学で3DCGを専攻中。趣味はアニメ鑑賞。スマホのアプリゲーム『Fate/Grand Order』に課金するほどハマっている。足立区の綾瀬に在住。
コー(男性・20代・マレーシア)
来日して3年。デジタルハリウッド大学で3DCGを専攻中。趣味はアニメ鑑賞と物語を書くこと。ゲームのデバッグやテストプレイのバイトをしている。自称「喧嘩っ早い」。文京区の本駒込に在住。
家を借りるのにハードル高い
キャサリン そうだ、来日したばかりの頃を思い出しました。外国人が家を借りるのが、すごくハードル高いですよね。外国人というだけでノー、という物件も多いです。OKの場合でも、保証人は日本人でなければならない。
原田 来日して、いきなり日本人の知り合いなんて少ないですよね。
キャサリン だから保険会社を利用します。それでも、借りられるところは少ないですね。今住んでいる部屋も、7、8軒断られてようやく決まりました。
ポパラッタ 僕も同じような経験をしています。