昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2021/12/26

《天性の才能だと思うんだけど、おまえはたとえ古典のセリフを喋っても、ある種の日常的なリアリティがくっ付いてくるんだよ。(中略)発声も含めて、相手の心に柔らかくスッと入っていく。そんなヤツが古典的な文語体のセリフを朗々と言えたらすごいだろ? そのふたつを併せ持ったら俳優として天下無敵なわけ。『ハムレット』だって『オセロー』だって何だってできる。俺が生きてるうちに、小栗をそういうふうに鍛えたかったんだ》(※8)

 蜷川にそうやって鍛えられた小栗なら、鎌倉幕府の執権である義時を演じても、きっと現代にも通じるリアリティをもって演じるに違いない。

ドラマ『日本沈没』(番組公式サイトより)

小栗旬が描く「次の新しい人生」

『鎌倉殿の13人』が終わるころには小栗は40歳になる。それだけに、《次の新しい人生に向き合うためのタイミングにもなりそうだな》という予感もあるようだ(※7)。具体的に《僕はとりあえずどこででも仕事ができる人になりたくて、大河が終わったら、いろいろなところに行ってみようと、アジア、アメリカ、フランスとか――自分がワクワクできるなら、役者はもちろん、制作に回るのかもしれないし、どういう形かは分からないけど、“いろいろなところにいる人”になりたい》と将来の展望も明かしている(※9)。

 ハリウッド映画への出演、またNetflixで全世界に配信された『日本沈没』は、小栗の本格的な国際デビューに向けた布石とも捉えられる。1年後にはコロナウイルスの感染拡大も収束して、彼が世界を飛び回りながら活躍する日が来ていることを祈りたい。

※1 『婦人公論』2005年12月7日号
※2 『Hanako』2007年11月22日号
※3 『Hanako』2009年3月12日号
※4 蜷川幸雄ほか『蜷川幸雄の稽古場から』(ポプラ社、2010年)
※5 秋島百合子『蜷川幸雄とシェークスピア』(KADOKAWA、2015年)
※6 『厚生労働』2020年10月号
※7 『日経エンタテインメント!』2020年12月号
※8 『LOOK at STAR!』2007年12月号
※9 『GINGER』2020年12月号

この記事の写真(5枚)

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー
z