大塚 本来はパワフル系が好きなんですけどね。ちょっとしゃがれてるとか、ハスキーなもの、ファンキーな曲が好きなんです。でも、自分の声ではどうしてもそこに辿り着けない。私は正直好きじゃないんですけど、でも好きじゃないとか言ってられないというか、自分の持ったものをいかに生かせられるか、この声をどう良くしていけるかというところに、デビュー前から振り切った感じです。
新しい世代にも曲は広まっていく
――そうして生まれた大塚さんの楽曲は、今も様々な世代の人に広まり続けています。新しい曲はもちろん、過去の曲に再びスポットライトが当たることも多いですよね。例えば『さくらんぼ』は、芸人さんのコントやバラエティ番組で使われている場面もよく見ます。
大塚 そうですね。もう19年も前の曲なんですけど、時間が経っても、誰かがそうやって使ってくれることでまた広まって、当時を知らなかった子どもたちとか、私を知らない世代の子たちが知ってくれる機会にもなるので、それはすごくラッキーでありがたいことだなって思ってます。
――確かに、そうしたとき番組で初めて『さくらんぼ』を聞く、という世代もいるかもしれないですね。
大塚 どの曲にもやっぱり思い入れがあるので、これからも色んな機会を通じて、皆さんに私の曲を聞いていただくことができたら、それはすごく嬉しいです。
大塚 愛(おおつか・あい)
82年大阪府生まれ。シンガーソングライター。『さくらんぼ』『プラネタリウム』など多数のヒット曲を手がけるほか、楽曲提供や絵本制作、イラストレーション、さらには、初めての小説『開けちゃいけないんだよ』を「小説現代」(2020年9月号、講談社)に寄稿するなどマルチに活躍。2021年12月8日にオリジナルとしては約4年ぶりとなる9thアルバム『LOVE POP』をリリース。
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