チュートリアル、笑い飯に挟まれた「ド緊張の決勝」
――決勝当日までの間はどんな感じでしたか。
小田 身体がふわふわしてました。
彼方 ずっとね、地面から5mm浮いてるんです(笑)。地に足が着いてないんですよ。
小田 今みたいに決勝までに告知したり番組に出させてもらったりとかもなかったんですけど、それでもどうしようという気持ちはずっとあって、普段絶対に残したりしないのに、お昼ご飯残しちゃったり。
彼方 私も食べれなかったです。あのときで2、3キロ痩せました。
小田 今でも本番前は2人ともしんどなるよな。
彼方 ちょっと気が重いときは、これは更年期か緊張かどっちやろって言いながら過ごしてます(笑)。でも本番が終わったら治るから、ああ緊張やったんやな、と。
小田 こんなことをプロの人はずっとやってはるんやと思うとすごいですよね。M-1は特別なとこもあるでしょうけど、ずっとしんどかったです。
――決勝本番の出番は、優勝したチュートリアルの次でした。
彼方 チュートリアルさんのネタの途中で裏に呼ばれてスタンバイしました。袖にいるから、ものすごいウケてるのはわかるんですけど、ネタの内容は聞こえなかったです。
小田 私らの次は笑い飯さんでしたし、優勝候補に挟まれてたんですよ。だから私達がセリフ忘れたりとかして空気がえらいことになったらどうしよう……と、そればっかりでしたね。
彼方 今考えると、もし私達が失敗しても笑い飯さんならそれを逆手に取ってウケを取りはると思うんです。でも、あまりにも憧れすぎてた大会やったから、心のどこかでこの神聖な場所を邪魔したらあかんと思ってガチガチになってしまった。同じ芸人で、私らも勝ち抜いてきたんやと思ってもっと気楽に臨めばよかったなと思います。
「爪痕を残してやろうとは全く思ってなかった」
小田 ステージに上がるセリに乗ったときに自分が緊張しそうになってるのに気づいて、あかん、緊張せんとこと思ったのは覚えてます。あとで見返したら顔が引きつって、ニヤニヤしてましたね。あとはもう本番中の記憶がなくて。東京のお客さんはキレイな人が多いなって思ったことぐらいしか覚えてないです。
彼方 私も記憶ないなあ。あっという間に終わっちゃった。
小田 終わったあとは、どうやって(司会の)今田(耕司)さんの横に行くのかわからなくて、2人でオロオロしてた。審査員の方のコメントも何を聞かれてるのかよくわかんなくて、「はあ?」とか言っちゃったよね。「ガクガクです」って言ったのがウケたぐらい。
彼方 その場で何を言ったのかとかは全然覚えてなくって、DVDとかで見たんです。もっと気の利いたこと言えばよかったな。
――結果は9組中8位に終わりました。
小田 もっとウケるかと思ってたし、もっとウケたかったなあと思いましたね。
彼方 もう少し点数が出ると思ったんですよね(笑)。
小田 結局図々しい(笑)。ただ、ファイナルラウンドにはもちろん行きたかったですけど、変に張り切らなかったのは良かったかなって。
彼方 目立ってやろうとか、ここで何か爪痕を残してやろうとかそういうことは全く思ってなかったです。