今年で17回目を迎えたM-1グランプリ史上、唯一アマチュアで決勝に進出した「変ホ長調」。#1では結成からわずか2年でM-1決勝に進出した2006年大会を、小田ひとみ、彼方さとみの2人に振り返ってもらった。
ラストイヤーとなった昨年まで毎大会、挑戦を続けていた2人によると、人気と知名度が高まった近年のM-1には、様々な変化が起きていたのだという。次なるアマチュアファイナリストが生まれない原因はどこにあるのだろうか。M-1再開後、ラストイヤーまでの軌跡から今年のM-1決勝の感想まで、変ホ長調の“雑談風トーク”はまだまだ続く。(全2回の2回め/前編を読む)
M-1再開…悩んだけれど「やっぱり出よう」
――2010年にM-1が一度終了しました。2015年に再開するまではどうされていたんですか。
彼方 阿佐ヶ谷(姉妹)さんと一緒にライブをしていたぐらいですかね。阿佐ヶ谷さんとは私達がコンビを結成する前から友達で、一緒に飲んだりお笑い見に行ったりしてたんですけど、その頃はまだ今ほどブレイクされてなかったので。ライブは1年に1回とかでしたけど、私達はお互いに仕事もしてるし、結構な労力でした。
小田 単独ライブの時期はフラフラでしたね。仕事から帰ってきてネタ直して、小道具作って、それを乾かしたまま会社に行って……。
彼方 稽古もしたいから東京と大阪の行き来が激しくなって、今どっちにおるんかわからへんくなったりね。
――2015年にM-1が再開したときは、すぐ出場を決めましたか。
小田 そこもちょっと悩んだよね。でももう私達にとっては甲子園みたいなものなので、やっぱり出れるなら出ておこうかなと。
彼方 もうその時点でラストイヤーまでやるって決めてた気がする。出場資格が結成15年までに延びたから2020年まで出れるねって、お互い口には出さなかったけど。
小田 そのときはまだまだ年数ある気がしてたよね。
2019年、9大会ぶりに準々決勝へ
――2019年には、2006年以来9大会ぶりに3回戦を突破し、準々決勝に進みました。
小田 2018年までは、最初の頃と変わらず2人でネタを作って予選で試していくスタイルやったんですけど、2019年に初めて事前にライブに出たんですよ。新道竜巳さん(「馬鹿よ貴方は」)に誘ってもらったライブで、M-1前だったから有名な人も結構出ていて。ネタを終えた後に、かなちゃん(彼方)は川瀬名人(「ゆにばーす」)に、私は新道さんに「どう思いました?」「どこ直したらいいですか?」って聞きに行きました(笑)。
彼方 的を射たことを言ってくれはって。
小田 当たり前やん!
彼方 でも、最終的には「一番好きなことを言ったらいいんじゃないですか」って言われた(笑)。
小田 向こうはライバルとも思ってはらへんと思うけど、初めて会った人のネタを見てちゃんとアドバイスくれるんや、と感激しました。そうやって厚かましく聞いたら準々決勝まで行けたから、事前にやらなあかんねや、と14年目にして気づいたんです。あと1年しかないのに(笑)。