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今年のM-1決勝 変ホ長調が「泣いたところ」

――結果的に、2007年以降は準決勝に進むことができませんでした。

彼方 M-1って、そもそもは新しいものを発掘する大会やと思うんです。2006年はM-1も初期の段階で、私達みたいなタイプは新しかったけど、それ以降はその衝撃を超えていかないと次に行けないんだなと。逆に言えば、もっと違った衝撃を与えられれば進めるっていうM-1に対しての信頼はありました。それは探り続けないとできないし、出続けないとできないので、今年はあかんかったけど来年はまた違うのを探ろうという思いで毎年やっていました。

小田 基本的にはみんな一度ずつしか決勝には行けないものやと思います。2回目は優勝候補じゃないと出れないんですよね。だからこそめちゃくちゃ面白ければ進ませてもらえたんやろなと思うんです。

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©文藝春秋 撮影=鈴木七絵

――M-1のなかった今年、どう過ごされていましたか。

小田 でも、THE Wがあったんで。

彼方 スケジュール的には変わらなかったですね。準決勝まで行ったので、むしろいつもより忙しかったぐらい(笑)。

――M-1の決勝はご覧になりましたか。

小田 私、オープニング映像でもう泣いてました。

彼方 あれ毎回かっこいいよね。

小田 M-1って、リアルタイムで見るより録画したのを見る方が面白いし、何なら1年後のもうすぐM-1決勝っていうタイミングで前年の再放送を見る方が面白いんですよ。気楽に笑えるというか、生放送見てるときはなんか緊張してるんですよね。

彼方 私も今年、生放送で決勝を見た次の日にファーストラウンドを見返したら、めちゃめちゃ面白かった。思ってたより大事なところを聞き逃したりしてるんよね。

小田 間違うわけないのに、間違いはったらどうしようと思ったりするから。結果とかもちょっと忘れてる次の年に見るのが一番面白いのかもって思います。

敗退が決まったハライチのコメントに涙

――注目していたコンビや親交のあったコンビはいましたか。

彼方 新道竜巳さんのイベントでランジャタイさんとかはご一緒したことがあったから、こっそり応援はしていました。そのときは錦鯉さんも一緒で、(長谷川)まさのりさんに「なんでこのイベント出てるの?」って聞かれたのも良い思い出です。

©文藝春秋 撮影=鈴木七絵

小田 モグライダーさんとかゆにばーすさんも一緒やったやん、なんでランジャタイさんなん? ほんま若い子好きやなあ(笑)。

彼方 川瀬名人にはアドバイスをもらったから、ゆにばーすさんが出たのも嬉しかったね。あとは金属バットさんも一緒やったから、敗者復活戦から来てほしいなとか。でもハライチさんもいつもラジオ聞いてるファンなので、勝ち上がってきて嬉しくなったり(笑)。一ファンとして見てましたね。

小田 ハライチさんと言えば、敗退が決まったときの「楽しい15年間でした」「M-1グランプリ、ありがとう」っていうコメントには泣きました。

彼方 あれは良かった! ハライチファンっていうのもあるけど、今までとは全然違うことやったでしょ。だから「私らもこれなんや!」って思ったんです。審査員の塙(宣之)さんがハライチさんに「わかりにくい方のネタをやりたがる」ってコメントされてましたけど、でもせっかく決勝に残ってんから、やりたいことやるのがいいんやわって。私達は置きにいってしまったな、言いたいこと言えばよかったなと。

小田 どうしても次に進みたくて、ウケる時間がここで空いちゃうとか思いすぎてたな。いつも気づくのが遅いね。