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私達は、話芸でやっていきたい

――大会から離れてみて、感じたことはありましたか。

小田 去年マヂカルラブリーが優勝したからか、マイクから離れてやってはる人が多いなというのは感じました。M-1って他のネタ番組と違って、ピンマイクをつけずにスタンドマイク1本だけなんですけど、あれが美学だと思うんです。でもみんな結構マイクから遠いところでやってたから、私達は逆に落ち着いた漫才がしたいなと思いました。

彼方 オズワルドさんとかすごい良いですよね。あれが漫才の最終型やと思いました。でもマイクから離れたものがあかんっていうわけじゃない。私達は技術もないし、コント漫才もできないから、話芸でやっていきたいなと改めて思いました。

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©文藝春秋 撮影=鈴木七絵

小田 私達、誰を目指してると思います? ……いとこい(夢路いとし・喜味こいし)師匠です(笑)。

彼方 すごいんですよ、いとこい師匠! 結構年配になってはるのに、新ネタを下ろすんです。しかも過去のネタをこすってなくて、喋りの中で毎回新しいことをやってる。でもやっぱり爆笑問題さんみたいな時事ネタ漫才もしたいね。

小田 M-1は10年後にも残るから時事ネタだと受からないっていう噂もあるけど、もう出ないしね。

彼方 好きなこといえば良いよね。

アマチュアであることへのこだわりは…

――アマチュアであることへのこだわりはありますか。

小田 それがないんですよ。決勝に出た頃は、アマチュアでもM-1には出れるし、あんな良い舞台に年1回立てるならこのままでいいやんと思って尖ってたところはありました。働きながらの方がちょっと違うネタが書けていいんじゃないかとか。あと、昔は他の仕事を持ってる人は芸能プロダクションには所属できないみたいな雰囲気もあったんです。 

©文藝春秋 撮影=鈴木七絵

彼方 私は昔、お笑い界の小椋佳を目指してたんですけど(笑)。でも、時代が変わってきてはいますよね。2006年の頃はプロかアマチュアかではっきり線引きがあったけど、今はその垣根がフラットになってきた。お互いサラリーマンというコンビも増えていますし、私達も今どこかに声かけられたら、はいって言うかもしれない。

小田 今はもうタイミングだけだよね。離れて暮らしてるのもあるかな。大阪か東京か、どっちかに2人が固まってたらどこかの事務所に入ってたかもしれない。