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ボケとツッコミも決まってない

――今年で17回目を迎えたM-1ですが、未だにアマチュアとして決勝に進出したことがあるのはお二人だけです。なぜだと思いますか。

小田 私達のときに、一度アマチュアが通ったからっていうのはあるよね。

彼方 翌年からアマチュアの参加者が増えて、上手い方も色々いたしね。でも、アマチュアでいいところまで行った人は、割とそのあとすぐプロになってはりますよね。たぶんプロを目指してM-1に出てる人がそもそも多いと思うんです。

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小田 私らはプロも目指してないアマチュアやったから珍しかったんやろな。プロっぽいトークでもないし、漫才のセオリーも知らない。

彼方 ボケもツッコミもなかったしな。

小田 こないだインタビュー記事で、「ツッコミの小田ひとみ、ボケの彼方さとみ」って書かれているのを見て、一緒にネタ作ってくれてる2人が「えっ、そうやったん?」とか言ってて。

©文藝春秋 撮影=鈴木七絵

――お二人の中で、どちらがボケでどちらがツッコミという意識はないんですか。

彼方 あんまりないですね。立ち位置にも無頓着で、撮影のときに怒られたことがあるぐらいです。

小田 私はもともと、おぎやはぎの矢作(兼)さんとか東京03の飯塚(悟志)さんに憧れて、ツッコミのつもりでした。でも今はネタによって「もうええわ」って言う方が変わります。漫才の中でも、年齢をからかうネタなら年上の私がボケるし、派手なものに憧れるネタはかなちゃんがボケ。

彼方 「女優になりたい」とかね。そもそも私らの普通の会話がベースにあるから。でも昔、M-1のディレクターさんに、2人ともボケでお客さんがツッコミやと言われたな。漫才の形は一応作ってるけど、2人とも変なのが君らの形やと。まあ、形なんか習ってへんしなあ。

©文藝春秋 撮影=鈴木七絵

アマチュアかフリーかは、意気込みの違い

――今後のM-1決勝にアマチュアコンビが出てくる可能性はあると思いますか。

彼方 本音を言えば、もうこのまま一生私らだけであってほしい(笑)。

小田 取材してもらえるんやもんな、ラストイヤーの次の年に。

彼方 ほんまやで。だからもう決勝には来ないでほしい(笑)。

小田 でも、めちゃめちゃ面白いネタができたら、全然あると思います。そこに関してはやっぱりM-1のスタッフさんへの信頼があります。

彼方 ただアマチュアって肩書を書きたがらない人もいるよね。「フリー」にしたり。

小田 アマチュアかフリーかって意気込みの違いやからね。私らも「いい加減フリーって書いたら?」って言われるしな。けど会社員でちゃんと働いてるし……。

©文藝春秋 撮影=鈴木七絵

彼方 小田さんが定年になったらプロになるんじゃないですか(笑)。

小田 いとこい師匠に近づくにはそれも良いかも(笑)。来年もTHE Wがあれば出たいし、キングオブコントにも挑戦したいなと思います。

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