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「これをイジメと言わず何をイジメと言うのかというぐらい辛いことが記載されていた」《旭川14歳少女凍死事件》調査のキーマン・今津旭川市長が“決意”の独占インタビュー60分

「これをイジメと言わず何をイジメと言うのかというぐらい辛いことが記載されていた」《旭川14歳少女凍死事件》調査のキーマン・今津旭川市長が“決意”の独占インタビュー60分

旭川14歳少女イジメ凍死事件 ♯26

genre : ニュース, 社会

note

調査が遅いから、新たな中傷だったりいろいろな被害が出ている

――遺族は3度にわたって2019年当時のイジメに関する調査資料の開示を強く求めていますが、市教委は応じていません。再度、情報の開示があれば応じますか。

今津 それは市教委、第三者委員会の判断になりますが、ご遺族の要望に最大限応えてあげるべきではないでしょうか。

――第三者委員会の調査の遅れによって、様々な憶測が広がり、遺族や弁護団、無関係の人への誹謗中傷へと繋がる悪循環に陥っています。

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今津 遅いからこそ、新たな中傷だったりいろいろな被害が出ているので、やはり早く解決するということは何より大事だと思います。ただ、第三者委員会の報告には、いつまでに報告をしなければならないという期限が法律的に定められたものがないので、国に対して制度設計を訴えていきたいです。

旭川市役所 ©文藝春秋

子どもを守れない町には誰も来てくれない

――事件から2年以上が経過し、記憶が薄れ、関係生徒の証拠隠滅、行政の隠蔽を危惧する声もありますが。

今津 隠蔽ということはあってはならないことです。旭川の教育が今、問われていますから、やはりしっかりと信頼を取り戻すために取り組んでいかなければならないと思います。旭川の教育体制をしっかり守り、子どもたちが安心して学んでいける環境がないと、どれだけ移住だとかワーケーション、企業誘致と言っても、子どもを守れない町には誰も来てくれません。しっかり旭川の教育を立て直していきたいと思います。

――第三者委員会の最終報告に対して、遺族から再調査するよう要望があった場合はどう対応しますか。

今津 遺族からのお申し出があった場合は、その時に対応をしっかり考えていきたいと思います。

――爽彩さんは生前、市長と握手したことを喜んでいたと遺族から聞いています。

今津 爽彩さんのお母さまからもそのお話を聞いて、おぼろげながら「ああ、あの時の女の子が爽彩さんだったのか」と。私にはこの問題を解決しなければならない使命が課せられていると思いました。特に今回のイジメの問題は、選挙戦の大きな争点の1つでありましたし、多くの方に支持していただきました。爽彩さんが天国から見守ってくれているのかなという感じがします。