2連覇を狙う駒澤大は、2年連続で2区に田澤廉(3年)。対する青山学院大は今季急成長の近藤幸太郎(3年)を初の2区に配した。さらに、今回ダークホースと目されている箱根駅伝の新興校・東京国際大と創価大は、それぞれイェゴン・ヴィンセント(3年)、フィリップ・ムルワ(3年)と、強力な留学生を2年連続でエントリーした。
順天堂大は東京オリンピック男子3000m障害7位入賞の三浦龍司(2年)が、早大は1万m で27分台のタイムを持つ中谷雄飛(4年)が、当日変更で2区に起用される可能性もある。そうなれば、例年以上に見応えのあるエース対決が見られそうだ。
2区のエースを活かすためにカギとなる「1区」戦術
さて、そうなってくると2区でのエースの“ガチンコ対決”に向け、優勝を狙うチームにとって絶対に外すことができないのが「1区」ということになる。
ここでは優勝候補に挙がるチームのキーポイントとなる1区の攻防を読み解いていきたい。
駒大の田澤や東京国際大のヴィンセントのような“ゲームチェンジャー”を2区に擁するチームは、1区で多少出遅れても挽回は可能だ。だが、そうではないチームは、わずかな出遅れが致命傷になりかねない。失敗できないのは当然として、「大砲を持つ大学よりも前でタスキをつなぎたい」というのが本音だろう。
『箱根駅伝2022完全ガイド』(ベースボール・マガジン社)によると、目標順位を「優勝」としている大学は、駒澤大、青山学院大、早大、順天堂大、國學院大の5校ある。実際に、いずれの大学もうまくハマれば優勝を狙える位置にいると見ていい。
この5校の1区に登録された選手は、
駒大・唐澤拓海(2年)
青学大・湯原慶吾(4年)
早大・北村光(2年)
順大・平駿介(3年)
國學院大・鶴元太(1年)
その他、優勝候補に挙げられるチームの1区は、
創価大・溝口泰良(2年)
東京国際大・山谷昌也(3年)
となっている。
早大、國學院大のスターターは…
早大の北村はもともと6区候補だっただけに、当日変更で代わる可能性は高い。國學院大の鶴も上り調子とはいえ、今季の実績を考えるとおそらく変更になるだろう。
早大は主力級の走力を持つ井川龍人(3年)か、エース中谷の投入もあるかもしれない。いずれにせよ、1区と2区をこの2人が担う可能性は高い。
國學院大は、3年連続1区の藤木宏太(4年)、全日本、出雲と1区で好走した島﨑慎愛(4年)あたりが担うことになりそうだ。2人とも、計算の立つ実績のある選手である。この2校は総合力は高いが、ここまでの駅伝の戦いぶりを見ると、ゲームチェンジャーとなる突出した選手がいないため、1区から4区まででいかに上位に食らいつけるかが、ポイントとなる。