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自己資金の少ない若手を支援する制度

 それまでにも仕事をしていた40代、50代の人なら難しい金額ではないかもしれないが、20代、30代の人なら簡単に用意できる額だとはいいにくい。そこで、2020年3月からは、若い人でも加盟しやすくするために「ヤング加盟店支援制度」を導入している。

 この制度は、加盟時点で40歳未満の人を対象としたものだ。加盟金、開店手数料、研修費については低金利での融資を受けられるようにしている。この融資を利用した場合には、自分で用意する必要があるのは保証金の100万円のみとなる。制度の導入以来1年間で16件の利用があったのだから、いかにニーズが大きかったかがわかる。

写真はイメージです ©iStock.com

 この制度は、加盟店推進部の部長である八田博史の提案からつくられたものだ。沖縄県の若い夫婦が資金づくりに困っているのを見て制度の必要性を感じたというから、いかにも人情派の八田部長らしい。

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新店オープン店舗でのスタートを応援

 また、それより早く2018年11月からは「オープンスタート支援制度」も導入している。既存店の引き継ぎではなく、新規オープンの店舗に加盟した場合、必要となる経費から50万円が減額されるというものだ。この制度が適用された場合は、最初に必要となる額は保証金を入れて162.5万円(税込178.75万円)になる。加盟店になろうとする場合、新規オープンの店舗を選びたがるのではないかと思われるかもしれないが、既存店のほうが売上げ額が見込みやすいメリットがある。その安心感が意外と大きい。

 以前のワークマンでは、新店の開店時には直営として運営し、軌道にのってから加盟店にしていく方法をとる場合が多かった。しかし、それでは新店を出すたび直営店が増えていくので、立ち上げと同時に加盟店にするケースを増やしたかった。そういう事情もあって導入された制度である。

 もっとも、最近の新店は最初から売上げが高く、大きな収入も見込めるため、開店時から加盟するメリットは十分あるといえる。

 オープンスタート支援制度はヤング加盟店支援制度との併用もできる。その場合、融資を受ける額はさらに少なくて済む。

 これらの制度ができたことによって、ずいぶん加盟はしやすくなったはずだ。