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初期費用が“100万円”なのに平均的なオーナー年収は“1600万円”…「ワークマン」フランチャイズ経営者の懐事情を解き明かす

『ホワイトフランチャイズ ワークマンのノルマ・残業なしでも年収1000万円以上稼がせる仕組み』より #2

2022/01/12
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褒賞金だけで400万円を得ることも

「褒賞金制度」が充実しているのがワークマンの特徴といえる。

 年間売上げが1億5000万円以上の店舗は「サクセス俱楽部」として年間20万~50万円、前年比で売上げが101%以上になれば「ステップ・アップ賞」として3万~150万円の褒賞金が設定されている。2019年下半期や2020年上半期などは全国の店舗の売上げが一斉に伸びたので、半期ごとに約5億円ものステップ・アップ賞が計上された。会社としてもその額には驚かされたほどだ。

 この他にもさまざまなコンクールなどが用意されている。

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 より良いサービスを心がけてもらうための表彰が「顧客満足度(CS)向上」や「BSO(ベストストア・オペレーション)」などだ。現在は行っていないが、2020年にはコロナ対策をしっかりしていた店舗に褒賞金を出したようにイレギュラーに設定される表彰もある。褒賞金の出る表彰はどんどん増えているといっていい。

フランチャイズ加盟店にとにかく優しい会社

 これらの褒賞金は店長たちのモチベーションを高める役割も果たしている。賞金が得られるだけでなく、直接、社長から表彰される場を設けるようにもしている。現在は新型コロナウイルス感染対策として行っていないが、表彰の場に立つことを目標にしている店長も少なくなかったようだ。

 売上げが前年比101%以上になっただけでも褒賞金が出るようにハードルは低めに設定されている(上昇率などによって褒賞金の額は変わってくる)。

 “できるだけ褒賞金を取ってもらいたい”というのが会社側の考えだ。褒賞金制度は、店長たちの努力に報いるためのものであり、「加点主義」になっている。

写真はイメージです ©iStock.com

 こうした制度があるのもベイシアグループの企業文化といえる。加盟店を対象としたものに限らず、本部の社員とパートさんへの利益還元制度もあるくらいだ。

 全国926店舗のほぼ全店がなんらかの褒賞金を得ており、その平均額は年間で約170万円となっている。褒賞金だけで405万円を得た人もいる。

 見込み額にはなるものの、この170万円を年収に加えて考えることもできる。

 八田部長などは「自分の会社ながらフランチャイズ加盟店にはとにかくやさしい会社だと思うので、いい点については世間にもっと知ってもらいたい」とも話しているほどだ。

※各種金額は2022年1月1日時点のもの。初期費用などについては2022年1月1日以降の加盟に対する条件であり、将来的な変更はあり得る。

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