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最初の入り口は「図書館でした」…陰謀論を信じた主婦が振り返る、ハマってしまった「3つのきっかけ」

2022/01/13
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夫は「この1年間、生きた心地がしなかった」と

――陰謀論を信じる一方で、ファクトチェックを逐一しようとするお気持ちは持ち続けていらっしゃったわけですね。そういった姿勢が、陰謀論から醒めて戻ってこられたひとつの要因でしょうか。

「夫にわからせてやろうという気持ちがずっとあり、決定的な証拠をつかまなければならないという気持ちは一貫していたと思います。陰謀論YouTubeを見るのも、楽しんでというよりは、義務感や使命感がありましたし。

 ただ、そもそも最初からもっとリテラシーがあれば、ハマらなかっただろうな、とも思います」

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※写真はイメージ ©iStock.com

――旦那さんは、喧嘩してからは、否定も肯定もせず、何も言わなかったようですが、そういったことについて、今ではどう感じられていますか。

「先日、わたしの考えが変わったのを察して話しかけてきた夫が、『この1年間、生きた心地がしなかった』と言っていました。夫はわたしには何も言いませんでしたが、その間、実は陰謀論についてすごく調べていて、陰謀論に詳しくなり、反陰謀論的な考えを持つようになっていたみたいです。

 ただ、ハマっていた身でこんなことを言うのもよくないのかな、とは思うのですが、正直なところ、夫に、もっと話をきいて欲しかった、『一緒に調べよう』と言って欲しかったという気持ちがあります。そうしたら、もう少し早く戻ってこれたかもしれないのに。自分の責任なので、何も悪くない夫を、こんなふうに言うのはよくないなあとは思うのですが……。

 家族が話をきいてくれる人は、あまり外に仲間を求めていない気がします。同志を外に求めて、共感できる仲間を作ってしまうと、抜けにくくなると思います」