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元町を下着姿で走って逃げて

――ところで、武田さんの役どころは、ポニーテールで爽やかな姿も見られる一方、近藤さんとのキスシーンや、悪の仲間たちに犯されてしまった後といった、少しハードなシーンもありましたね。

武田 キスシーンはそんなにまぁ、13歳ですし、抵抗はなかったんですけど。それよりも犯された後のシーンですよ。台本のト書きを見たら、もう嫌で嫌で、「私降りる」って。子どもですよね(笑)。制服のプリーツスカートを脱いで、下は白い下着…今でいうシミーズって言うんですか、シミーズ姿も嫌で、「明日からもう来ないから」って。マッチにも、「私降りるから」「明日からもう来ない」って宣言して。彼も17歳でしたが、「そんなこと言わないでさ。俺も、何かあったら監督さんに言ってあげるからさ」って、優しかったんですが。

 結局、当日は、本番直前で元町を走って逃げました。すぐにスタッフにとっつかまりましたが。

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マッチにも「私降りるから」と宣言したと笑う

一夜にして世界が変わってしまった

――本番前にそんなことが(笑)。しかし、そんなシーンも乗り越えて、結果的に映画は大ヒットしました。学校のお友達や先生の反応はいかがでしたか。

武田 学校は、デビューしてからほとんど行けてなかったんです。たぶん1学期間とか、2学期間、まるまる休んでいたと思います。本当はダメなんでしょうけどね。

 デビューする前は、結構勉強家だったんですよ。でも、突然やらなくなっちゃったので、先生にはすごく言われましたね。自分でも何とか遅れないようにやってはいましたが、もう分からないものは分からなくなってしまって。

『ハイティーン・ブギ』への抜擢で「一夜にして人生が大きく変わった」

 友達は…親友と思っていた子がちょっと遠ざかってしまいました。1クラスしかなかったですが、その親友みたいな子は、私がたまに学校に行くと、もう違う子と一緒にいましたね。でも、しょうがないなと思いました。自分も学校にたまにしか来てないんだから。それくらい、一夜にして、人生が大きく変わってしまった出来事でした。

(撮影:杉山拓也/文藝春秋)

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