新聞が1年でもっとも面白い日はいつか。それは「成人の日」です。

 新聞を擬人化するなら「おじさん」だと私は思っています。「社説」は難解なイメージがありますが「大御所の師匠が小言を垂れている」と思って読むと急に楽しくなるのでおススメです。

©iStock.com

 たとえば元日の社説を見てみましょう。日経は「資本主義を鍛え直す年にしよう」、毎日は「つなぎ合う力が試される」。おじさん方がさえずっていますね。この程度の受け止め方でいいと思います。

ADVERTISEMENT

 上級者編にいきます。おじさん濃度の高い産経新聞は社説の代わりに「年のはじめに」として『さらば「おめでたい憲法」よ』(論説委員長 乾正人)を持ってきました。読んでみると「おめでとう」の代わりに「おめでたい」を入れたことに満足気のよう。こんな年賀状が元日に来たら驚きます。

朝日新聞、伝説の社説

 さて、そんなおじさん方が「成人の日」は新成人にメッセージをおくるのです。もう危険な香りしかしません。ただでさえエラそうなおじさんが「我々はすでに成人している先輩である」という謎の優位性を爆発させるのが「成人の日」の社説なのです。何度も言いますがこれは危ない。

 では、今や伝説となっている社説を紹介しよう。2012年の朝日新聞の社説です。

 タイトルは『尾崎豊を知っているか』

 凄い。凄すぎる。そして冒頭も凄いです。