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運転席がもげるほど大破…“首都高バトル”で20歳大学生死亡 “ルーレット族”が復活した理由

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 警視庁高速隊は5日、男子大学生(20)が運転するスポーツカーに衝突した大学生のA容疑者(22)を自動車運転処罰法違反(過失運転致傷)容疑で逮捕した。男子大学生が死亡し、容疑を過失運転致死傷に切り替えて調べている。

 警視庁担当記者の解説。

「事故が起きたのは5日午前5時前のことでした。計4台が絡む玉突き事故の起点は中央分離帯にぶつかった男子大学生で、その後にA容疑者の車が衝突。男子大学生の車は運転席ごと捥げるほど大破し、即死と見られます。助手席に座っていた19歳の男性は奇跡的に軽傷で済みました」

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大破したスポーツカー(テレビ朝日より)

 亡くなった男子大学生の車は、後部に大型のリアウイングを付けた紫のホンダ「アコード」。かたやA容疑者の車は白のBMW「M3」で、スクラップ化せずとも目を引いたであろうスポーツカーだった。

「法定速度を大幅に上回る速さで首都高を周回しており、事故時は休憩を挟んで5周目だった。バイト関係の仲間らしく、A容疑者は『新年にせっかく会ったのでドライブに行こうという話になった』と供述しています」(同前)

 彼らは首都高都心環状線などを周回する“ルーレット族”と見られる。

 捜査関係者が言う。

「環状線は高速としては世界的に珍しく、カーブが連続する約15キロのサーキットのような道路です。周回には追加料金もかからず、多くの“走り屋”を呼び込んできた。ただ、ポルシェ本部で改造した高級車も参戦したバブル時代に比べ、若者の車離れも進み、一時はだいぶ廃れていました。ところが、この1、2年でまた増えているのです」

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