〈あらすじ〉

ベトナム戦争後、6歳でイギリスに亡命したキット(ヘンリー・ゴールディング)は、両親の遺灰を埋葬するために、30年ぶりに祖国のベトナムを訪れる。目覚ましい経済成長を遂げたサイゴン(現ホーチミン)にかつての面影はなく、埋葬場所探しは難航する。ファッション・ビジネスで成功を目指すアフリカ系アメリカ人のルイス(パーカー・ソーヤーズ)や、実家が伝統的な蓮茶工房の女子大生らと交流しながら、キットは自分の人生に向き合うようになる。そして従兄弟から、30年前の亡命に関するある真実を聞く。

〈解説〉

『追憶と、踊りながら』のホン・カウ脚本・監督作。“ボート難民”だった主人公が、祖国で自身のアイデンティティを探す姿を描くロードムービー。85分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★☆☆ベトナムの変貌ぶりに、まず驚く。風物の描写には、おおいに興味を惹かれたものの、男同士のベッドシーン、必要なの?

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★☆☆街角を切り取るキャメラに立体性と美意識が感じられるが、脚本が情緒に流されすぎで、演技も舌足らずだ。彫りが浅い。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★☆☆過酷な過去を語りすぎず、己の性愛を寡黙に美しく描き、孤独を一服の蓮茶のように綴る、独り静かに楽しめる85分。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆都市空間が孕む重層性の中で、個の揺らぎを繊細に描く。ぶらぶら歩きのリズムが異邦人の浮遊した心象をよく伝える。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★☆☆ボートピープルとして祖国を出た多くのベトナム移民が持つある種の浮遊感。それを追うカメラ。思慮深く美しい映像。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
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『MONSOON/モンスーン』(英、香港)
1月14日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー
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